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新宿観光案内所が凄かった!

先日、新宿観光案内所の素晴らしい活動が紹介されていました。

一日400人以上の外国人観光客からの、さまざまな相談にとても親身に対応しているのです。

不勉強で知らなかったのですが(検索してもあまり情報が出てこない)こんなに素晴らしい観光案内所があったのかと感銘を受けました。

幾つかエピソードを紹介すると…。


【ラクトースフリー牛乳が欲しい】

オーストラリアからのご夫婦が新宿観光案内所を訪れ、女性が日本ではあまり一般的ではない、ラクトースフリー(乳糖が含まれない)の牛乳を探していました。

新宿観光案内所のスタッフは、近くのスーパーマーケットに一斉に問い合わせをし、5分後女性が求める商品を見つけ出したのです。

さらに、女性が胃腸のトラブルを抱えていたことを知り、胃腸薬を勧めるなど、細やかなアドバイスも行いました。

お店で困らないよう日本語のメモ付きで。

オーストラリア人女性は大変感激し、「彼らはよく調べてくれて助かった」と喜びました。


【春なのに心霊ツアー希望】

新宿観光案内所に訪れたオーストラリア人男性が、夏でもないのに心霊ツアーを希望しました。

「夏なら沢山あるのに」スタッフは初めは困惑しながらも、男性のリクエストに応えるために探索を開始。

スタッフ総出で探す事10分後、東京の下町で怖い話や民話が聞ける「恐怖の東京下町心霊ツアー」を提案しました。

この幽霊ツアー、怪談の専門家と一緒に怖い話や民話を聞きながら、日没後、浅草の墓地やお寺などを巡ります。

オーストラリア人男性はこの提案に喜び、「他の案内所では見つけられなかった」と感謝の気持ちを述べました。


【宝くじ】

ある日、タイ人男性が日本の宝くじを持ってきました。

彼は持っている宝くじが当選しているかどうかを知りたかったのです。

スタッフはタイ語が堪能なメンバーと相談し当選番号を調べてあげました。

当選していたのは結局100円でしたが、男性はスタッフの親切な対応に感謝し、「ここは他の場所よりもはるかにサービスが良い」とコメントしました。


【かばん紛失】

ある日、焦った様子のイタリア人男性が「新宿観光案内所」に駆け込んできました。

彼は大切なかばんを紛失してしまったというのです。

自分のかばんをコインロッカーに預ける際にお金を払い忘れてしまったため、戻ってみるとかばんがなくなっていたのだそうです。

スタッフはコインロッカーの管理会社に電話しました。

すると、5分後に管理会社のスタッフがかばんを持ってきました。

どうやらコインロッカーの鍵が掛かっていなかったため、中に入っていたかばんを管理していたようです。

男性は安堵し、「そう、そう!それ!」と喜びました。

男性は感謝の気持ちを伝え、「案内所の人たちがいなかったら、僕はきょう、ここにいません。本当に感謝しています」と語りました。



モットーは、どんな相談にも、簡単には「NO」とは言わないことだそうです。

「難題や質問もたくさんいただくので、そういったことにも代替案をしっかりお伝えしています」とのこと。

そのため新宿観光案内所は、観光客のニーズに応えるために常に努力しており、多くの人々から高い評価を受けているのです。

一日に400人以上、月に1万人も訪れる観光案内所で、それが実現できるのが凄い事だと思います。

こんな観光案内所が各地域にあったなら、観光の地方分散化も進みオーバーツーリズムの対策にもなると思うのです。



その理由として、観光案内所におけるホスピタリティの効果としては以下の内容が挙げられます。


1.観光客の満足度向上

初めて訪問する観光地に到着した時、最初に訪れるのが観光案内所ではないでしょうか?

最初にコンタクトする観光案内所でホスピタリティを発揮することによって観光客の満足度を向上させます。

丁寧な対応や親切なサービスにより、観光客は安心感や信頼感を得ることができるのです。

また、的確な情報提供によって観光客のニーズに応えることができます。

これにより、観光客はより充実した旅行体験を得ることができ、更に満足度が高まります。


2.観光地のイメージ向上

ホスピタリティの発揮によって観光案内所が良好な印象を与えることで、観光地全体のイメージ向上につながります。

観光客が観光案内所から受けたサービスや対応に満足し、その情報を口コミやSNSなどで広めることで、他の人々にも良いイメージが伝わっていくのです。

これにより、観光地の認知度や評判が向上し、観光客の増加やリピーターの獲得につながるでしょう。


3.地域経済の活性化

案内所で紹介された場所や飲食店には高い確率で訪問し消費行動が発生します。

もしすべての観光客に求めている情報を紹介することができたなら、機会損失がかなりの割合で減少します。

逆にいうと紹介しないと何も生み出さないのです。

これは大変重要なポイントです。

なぜなら観光業の目的は

観光資源を活用し、観光客のニーズに対応した財やサービスを提供することで、対価として経済的な利益を得ること

だからです。


ホスピタリティの発揮によって観光客の満足度が高まり、観光地のイメージが向上することで、地域経済の活性化に寄与するのです。


また、良い観光体験をした観光客が口コミやSNSでその地域を紹介することで、観光客の誘致にもつながるでしょう。

これにより、地域の経済振興にプラスの影響をもたらすことができます。



他の地域の観光案内所が新宿観光案内所のようなホスピタリティを実施するためには、以下のような取り組みが有効です


1.ホスピタリティの文化を醸成:

ホスピタリティを大切にする組織文化を醸成します。

スタッフ同士のコミュニケーションや協力体制の強化、お客様へのサービス提供に対する意識を高めるための取り組みを行います。

経営陣からのリーダーシップとモチベーションの向上も重要です。


2.スタッフのトレーニングと教育:

スタッフには、ホスピタリティの提供に関するトレーニングを実施しましょう。

コミュニケーションスキル、おもてなしの心構え、観光情報の提供方法など、必要なスキルや知識を習得させます。

またサービスの質を向上させるためにフィードバックシステムを導入しましょう。

観光客からの意見や要望を収集し、改善点を把握することで、より良いサービスの提供につなげます。


3.技術と情報の活用:

慢性的な人手不足の状態です。

デジタルテクノロジーを活用した情報提供や予約システムの導入を検討しましょう。

観光案内所内や観光名所などに設置されたデジタル案内板やQRコードを掲示し、

観光客はスマートフォンでスキャンすることで、詳細な情報や案内マップへのアクセスが可能となります。

AI技術を活用したチャットボットや仮想アシスタントを導入し、観光客との対話型のサポートを提供。

また、ソーシャルメディアやオンラインコミュニティを活用し、観光客とのコミュニケーションを強化します。


これらの取り組みを継続的に行うことで、他の地域の観光案内所も新宿観光案内所のようなホスピタリティを実施することができます。


地域の魅力を最大限に活かし、観光客にとって忘れられない体験を提供することが目指すべきです。


私は数年前依頼を受けて、道内を代表する観光地複数箇所で覆面調査を行いホスピタリティ診断を実施したのです。

ある観光案内所では、その時雨の日だったため観光案内所で 「雨天の時、楽しめるものって何かありますか?」と訊ねたのです。

帰ってきた答え「ありません」このたった一言。


また他の地域の観光案内所では日曜日で案内所に沢山の観光客がいるにも関わらず、スタッフ全員が奥の事務室に籠もっている状況で声をかけるのも憚れる状況でした。

早くこういった状況を卒業するためにも、一刻も早く上記のような取り組みを行ってくださることを望みます。

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