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若手が経営幹部にITを伝授する「逆メンター制度」で思い出したこと

資生堂の「若手が役員にITを教える」取組みをしているという話を聞いて、へー、そういえば私もやってたなーってこと思い出した。私も役員に対して教室開いて指導していたのでした。

IT環境を整備しても、従業員のITリテラシーが追い付かなければ活用にはつながらない。それは一般社員だけでなく、経営層も一緒だ。そこで同社が取り入れたのが「リバースメンター制度」だった。
 「リバースメンター制度は、ITに詳しい若手社員をメンターに任命し、経営トップの役員にITツールの使い方を教えるという制度です。所属する事業部門のレポートラインとは異なる役員をマンツーマンで支援するというもので、先輩が後輩を指導するという一般的なメンター制度とは逆の取り組みであることから、リバースメンターと呼んでいます」(田村室長)
 この制度によって、役員のITリテラシーはあっという間に向上。役員が統括する事業部門の課題を解決するために、IT活用方法を提案するといった役割も担っていることから、役員から若手社員に対する評価は非常に高いという。

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私はRKBに入る前、実はIT機器のインストラクターをやっていた。いわゆる「ワープロ」だ。パナソニックのインストラクターとして九州中を回っていた。今は誰でも当たり前に触っているキーボードだけど、当時は特殊な仕事の人しか触ったことがなく、「あ」と押すと画面に「あ」と出て来るだけで驚くような時代。それが、小型の卓上ワープロが誕生して家電量販店で売られるようになると、年間300万台ほど売れて一気に家庭に広がっていった、平成がやっと始まったころの話。

RKBに転職すると、まだまだ卓上のワープロが普及していない。せっかくなんでパナソニックのワープロ導入したらいいなと。これまで店頭で他メーカーと熾烈な戦いをしていた私としては、いまだその感覚が抜けずに普及活動にいそしんでいた(笑)

販売会社とはツーカーの仲なので卸価格で販売してもらい、職場からは安く買えたと喜んでもらえ、私も嬉しいという三方よし精神。
で、そうなると買った人から頻繁に「ちょっとここ教えて」と内線がかかってくる。世話好きな私は「ハイハイ、今行きます」と、デスクまで行って教えるんだけど、だんだんその数が増えて行った。

質問してくるのは大抵おじさん。若手の人はどんどん自分で覚えていくんだけど、ね。一人ずつ教えるのがめんどうになってきたので(⁉)、基本から教える教室を開くことにした。自分で打たずに全部秘書に任せてる人も興味津々でやって来た。

教室は、就業後に設定すると、なんだかんだと絶対遅れてくる人がいると思った私は、朝活に設定。始業までの1時間をみっちり。週に何日かを数か月続けたんじゃなかったかなー。(朝が苦手な私も頑張った。。。)
オフィスにあったワープロだけでは足りずに、パナソニックの販売会社とか個人の知り合いから数台無償で貸してもらったりもしていたな。こういう知恵はいくらでも働くw

最初に声をかけたのがRKBの人事部長だったので、そこからクチコミで広がって、専務や常務、グループ会社の社長、たまにはRKBの社長も様子を見に顔出してたな。もちろん少し若手のプロデューサーなんかもいた。たぶんこの人たち、職場では偉そうにしているので質問できないんだろうな。
朝活なんで、勉強した後にコーヒーなんぞ出してあげると、しばらくはオジサンたちの憩いのサロン状態になっていた。

そんな感じで、参加した役員からは私(当時20代)はある意味「先生」なので、廊下で会っても「お、先生!」と声をかけてくれたりして、仲良くさせてもらった。そのうち、今度はゴルフに誘ってくれたり(当時は営業として必須アイテム)、飲みに誘ってもらったりして、そんな時の役員同士の会話や視座について、何となく学ばせてもらった気がする。

役員と仲良くなることを期待して始めたわけじゃないけど、結果としてそんな風になったなと今は思う。私としては、目の前の人の役に立ちたいだけ。パナソニックなら安く買えるし、分からないときは教えられるし、前職でお世話になったパナソニックにも多少は恩返しできるし、、、それだけ。もちろんリベートなんて1円ももらってないし、朝活は無給。でも、喜んでもらえることが私にとっては一番の報酬。

結局RKBの人事部にはズラリとパナソニックのワープロが並ぶことになって売り上がったし、同じく個人で買ってくれたグループ会社の社長は、数年後に私の会社に社長でやってきたり、教え子のプロデューサーは、うちの派遣社員を大切にしてくれたし。

「人間万事塞翁が馬」で、結局は「行き当たりバッチリ」なのでした♪

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