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メダルの数を数える時、そこに選手の顔は見えなくなる

とんとスポーツに縁がない。そもそも勝負事が苦手。
これまで学校の体育以外にやったスポーツと言えば、営業のためのゴルフくらい。決して運動音痴ではないけど、ストイックに体を鍛えたりすることにまったく興味がない。

で、今はオリンピック一色だ。いや、一色と思っているのは一部の人で、私のように特に興味がなければ、テレビの中継もほぼ見ないから、ほとんど蚊帳の外だ。

いや、選手たちは素晴らしいと思うよ。この日のために世界中から集まったアスリート同士の勝負は、もちろんスゴイの一言で心から尊敬する。試合中継は見ないけど、ニュースで結果は確認するしダイジェスト版はチラチラ見ている。

ただ、今朝のテレビでちょっと「何だかなー」ということがあって、それがますます私をオリンピックから遠ざける。

オリンピックって、その国のトップアスリートが集まって、さらに世界のトップを目指すもの。私から見れば、全英オープンゴルフもオリンピックのゴルフも変わらない、個人の戦いに見える。

なのに、メダルの数ばかり数えて、国別の個数比較に一喜一憂するメディア。そして追い打ちをかけるように、今朝の元水泳選手で今は解説者のこんな発言。

「金2つ、銀1つ。うーんもう少し行きたかった」
「柔道がバンバンメダルを取るので気になって仕方なかった」
「水泳ももう少し頑張らないと」

え、、、何その業界意識みたいなの。選手がコマのように見えてきた。自分の業界を押し上げるための手段のような発言。。。

あー、何か昔のイヤな記憶が蘇ってきた。大企業の縦割り社会と、その中にいる男たちの醜い争い。

当時私は大手家電メーカーのインストラクタをしていた。情報家電と呼ばれるマイナー部門で。そんな時、売り上げ絶好調のテレビ部門の営業マンの大きな態度に辟易していた。それにも腹が立つけれど、同僚の男たちの、負け犬のような態度にもイライラしていた。

企業としては、事業部制にして競わせることで売り上げ向上に努めるという、日本の古い体質そのもの。ただ、売上の多寡は人間性とは全く関係ない。なのにテレビは尊大な態度だし、こちらは卑屈な態度で、明らかにヒエラルキーの只中にいる。その体質がものすごくイヤだった。

その世界の中にいると常識に思えることも、一歩外に出てみるとまったく別の価値観があるのに気づかない、まるで井の中の蛙。

スポーツ界も似たような構図では。今朝の発言で私にはそんな世界が見えてしまった。種目ごとにそびえ立つヒエラルキー。メジャーな種目とマイナーな種目、メダルを取れた種目とそうでない種目、声の大きい監督がいる種目とそうでない種目、、、、

一人ひとりの選手の努力を競い合っているはずなのに、上層部にいる人たちはいつの間にか塊での評価にすり替え、それが国同士、種目同士、いろんなクラスターで競い合う。プライドとメンツの世界。(妄想しすぎ?)

私がどうもオリンピックと仲良くなれないのはそこかも。
アスリートたちは別に国を背負ってくれなくていいし、自分の世界を極めてくれればそれでいい。メダルを取ることなんて考えてもなく、単にオリンピックに参加できることが楽しくてたまらない、そんな国の人たちもいるというのに。メダルを取れなくて申し訳ないとか、そんな発言がでてくる日本のスポーツ界は、ちょっと好きになれないな。

ま、自分備忘録として書いてるだけですのでスルーしてください。

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