日経平均最高値を更新
2024年2月22日、日経平均が最高値を更新した。これまでの最高値は1989年12月29日の3万8915円。22日の終値は3万9098円で、34年振りに高値を更新したことになる。
その後も株価は堅調で、明日にも4万円を超える勢いである。
久々に嬉しい、元気の出るニュースではあるが、手放しで喜んでよいのだろうか?
日経平均とGDP
1980年からの日経平均とGDPの推移をグラフにしてみた。
株価は1989年12月にピークをつけた後に急落、2011年まで下がり続けた。2011年の終値は8455円、実にピーク値の22%、1/5近くにまで下がったことになる。
2012年の総選挙では自公が圧勝して民主党から政権を奪還、第二次安倍内閣がスタートした。
これを機に、ようやく株価は上昇トレンドに乗り、11年で株価が元に戻ったということになる。この期間が「失われた30年」である。
GDPに関しても、株価がピークを打った2年後の1991年から成長が鈍化、あるいはマイナス成長となった。そして2012年以降、ゆっくりとした成長軌道に乗ったように見える。
1991年の名目GDPは492兆6691億円、そして2023年が588兆5734億円。32年で19%増加、年率0.56%という僅かな増加にとどまる。
アメリカの株価とGDP
これに対してアメリカの株価(NYダウ)とGDPのグラフを下に示す。
株価はリーマンショックによる一時的な落ち込みはあるものの、一貫して上昇を続けている。
日経平均がピークをつけた1989年末のNYダウは、2793ドル。それが2023年末には3万7690ドルになっている。なんと13.7倍、年率8.5%の成長である。
もし、日本がアメリカと同じ割合で成長を続けていたら、2023年末の株価は53万3000円!
なぜアメリカはコンスタントに成長し、日本は失われた30年になってしまったのだろうか。
国民負担率
GDPが低迷し、株価も上がらない状況の中で、国民負担率だけが上昇している。
1970年の国民負担は、税負担が18.9%、社会保障負担が5.4%で、計24.3%であった。
それが、2023年には、税負担が28.1%、社会保障負担が18.7%で、計46.8%にまでなった。特に社会保障負担の増加が顕著である。
経済の状況を顧みずに、消費税を導入し、次々とその税率をアップ。そして国民にはわからないだろうと言わんばかりに、社会保障負担を上げ続ける。
こんなことをしていたら、経済が悪化し、GDPが伸びず、株価も下落するのは必然である。
はたらけど はたらけどなお わがくらし 楽にならざり ぢつと手を見る
この原因は、政府の不策、というより、確信犯的な政府の貧困化政策にあるのではないか。
金融緩和はしたものの、それとセットになるべき財政出動は行わず、財政規律だけを重んじて、税収が足りないから税率を上げる、さらに社会保障負担を増やす。こんなことをすれば経済が低迷し、さらに税収が減るという悪循環に陥ることは火を見るより明らか。
財務省はバカなのか、それとも確信犯なのか。。。
株価が最高値を更新したからといって浮かれるのではなく、この失われた30年は何だったのか、何をどう間違ったのか、しっかりと総括することが必要である。
そして我々国民も、役人任せ、政治家任せではこうなることを理解し、声を上げていくことが重要かと思う。
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