見出し画像

五権による政府の治権を、人民のもつ選挙権、罷免権、創制権、複決権の四権で管理する体制

人々よ。

孫文は、中国に適した理想的な共和国の建設を目指した。

彼の言う「三民主義と五権憲法の国家」である。最も完美な国家であった。

欧米における議会制民主主義の欠陥を克服したものであり、またソ連型の社会主義国家をも超えるものであった。

孫文の目指したものは、主権在民の大原則下、五権分立の憲法と民権の直接的行使による地方自治の徹底。

五権分立とは立法、司法、行政、考試、監察の五権により、三権分立の不備を補うもの。

五権による政府の治権を、人民のもつ選挙権、罷免権、創制権、複決権の四権で管理する体制。

欧米先進諸国の制度には不備があるから、新生中華民国では、それを補いより完全なものにしなければならないと考えた。

議会制民主主義国にみられる三権分立の、立法、司法、行政の三権の他に、それらと同じ重みをもつものとして、考試権と監察権を加えて五権分立とした。

孫文の五権憲法は、一見、欧米型の三権分立に、中国の古くからの考試(科挙)、監察(御史)の二権をもってきて、継ぎ足したかのような感じを与える。

寄せ集めのようにも思われそうだが、人民の四権による政府の五権の管理など、民主国家中国を基礎から固めて築き上げようとする、孫文の強い意欲と苦心の理論構築とによるものであったといえる。

二千年を越す専制王朝を瓦解させ、中華民国を建国した革命家、孫中山。

あの世から現在の中華人民共和国をどう見るか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?