経済機構のからくり
人々よ。
戦中、戦後直後の日本企業の社会小説7編。
総会屋、貿易業、サルベージ会社、描かれる資本主義の実態、経済機構のからくり、組織と人間。
昨今のコンプライアンス云々のブラック企業とは比べ物にならない。命の重さは紙よりも軽い。
心に戦争の被害を残す戦中派世代の特異な精神構造がありありと感じられる。
当時の息吹を感じられる一冊でした。
昭和2年生まれの著者、城山三郎氏は海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。
氏の筆力があってもちろんのことだが、経験を伴っての描写を滲み出るものがあります。
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