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自分らの想いを表現できる唯一の書類

障害福祉サービス事業を開設する際は、行政機関に対して指定申請をします
その申請は、行政機関ごとに決まっている書類を提出することになります
(一部の書類は、共通・統一の様式で作成・提出することになります)

申請を受けた行政機関は、その事業の開設と運営が適法・適正か否かを書類で確認します
そのため、書類ごとに問われていることに対し、事実を正確に記載することになります
もしも、事実を記載できない・しづらいのであれば、それは適法・適正ではない、または、準備不足を意味します

事業の適法性・適正性の判断は、基本的に論理的・定量的に行われます
よって、書類作成の段階から論理的・定量的に向き合う必要があります
そこには、自分らの "考えや想い" が入る余地は、ほとんどありません

でも、書類の中で唯一、自分らの考えや想いを表現できるものがあります

それは、”事業計画書” です


事業計画書とは

事業計画書は、どのように事業を運営・経営するのかの計画を取りまとめたものです
内容は、事業の目的、運営の方針や内容、財政面の見込みなどを具体的に記載したものになります

申請を受けた行政機関は、その事業は成立し、継続した運営・経営が可能なのかなどを計画書から読み取ります
簡単に潰れるような事業だと、障がい者(利用者)のためになりませんので、慎重に確認されます

計画書に記載する事項は、概ね以下のとおりで、行政機関ごとに記載すべき事項が微妙に異なっていたり、様式が決まっていることがあります

  • 事業の目的、理念、方針

  • 事業の名称、運営する法人、所在地などの概要

  • 提供するサービスの種類、主たる利用者、サービス提供時間などの概要

  • 年間・月間のスケジュール

  • 収支予算などの財政面の概要

  • 地域や他事業所都の連携など、事業運営上の事項など


最重要事項

 計画書の中で最も重要なのが、事業の目的・理念・方針の3つの事項です
これらは、事業運営の骨幹と羅針盤に当たるものです
そして、自分らの考えや想いが文章として具体化したものでもあります

以下に、事業の目的・理念・方針がどのようなものかを軽くまとめました

  •  事業の目的
    事業の指定を受け、その後の運営によって、実現させる事や姿を記します
    また、事業の存在と運営を続ける意義を具体化したものとも言えます 

  • 事業の理念
    どのような考えや想いをもって事業を運営するのかを記します
    事業立ち上げの動機でもあり、事業の根本的な考え方でもあります 

  • 事業の方針
    理念と目的をもって、どのように事業を運営するのかの方向性を記します方向を示すだけでなく、どのように進めるかも示すようにします

これら3つの事項は、考えや想いを文章にするという難しい作業が伴います
なぜなら、まだ頭の中にしかないものを言語化して文章に置き換え、伝えるべき相手に、正確に伝わるようにしなければならないからです

なお、伝えるべき相手とは、行政機関だけでなく、職員など事業にかかわる人々、サービスの提供を受ける利用者などの全員です


絶対にやってはいけないこと

ところで、事業計画書に関する情報は、ネット上で容易に入手できます
計画書の作り方、ひな形、他事業者の計画書なども手に入ります
非常に役立ちますが、他事業者の計画書のコピペなどは絶対にダメです

理由は、記載されている内容が、自分らの事業とは異なるからです
何よりも、事業に対する考えや想い、理念などが全く異なります
コピペしたような計画書は、内容に一貫性・整合性がないので役立たずです

そんな役立たずの計画書を読む・確認する人は何と感じるでしょうか
何よりも、自分らの考えや想いが正しく表されず・伝わらない計画書に何の意味があるでしょうか


まとめ

事業の指定申請書類は、指定を受けるために必要とされる事項を取りまとめたものです
内容のほとんどは、論理的で定量的に事実を正確に記載されなければなりません

でも、事業計画書に記載する事業の目的・理念・方針だけは異なります
自分らの事業に対する考えや想いを文章として表現できる唯一の事項です

文章になるということは、誰かが読み・確認することになります
その際、自分らの考えや想いが文章を通じて正確に伝わらなければなりません

よって、手間や時間がかかるでしょうけど、しっかりと取り組んでください
自分らの考えや想いを表現できる唯一の書類に魂を入れる気持ちで

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