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一年でどう変わったか

夜中に起きてしまった。ちょうど一年前、伶果ちゃんを生んだくらいの時間だった。起こしに来てくれたのかな。

産後の1ヶ月、母体の回復が確認されてから、まずダイエットに励みました。輸血のむくみも取れて、ピラティスで骨盤低筋を鍛えて、出産でぶち切れた筋肉を戻します。産後の体のメンテナンスに力を入れた「ママピラティス」というのに参加したので、周りは結構赤ちゃんを連れて来ている人がいて、自分がどう感じるか興味があったんですが、意外とふつーに、可愛いって思いました。
「あー、うちも生きてたらこのくらいかぁ。このくらいの時って寝れなくて大変だったよなぁ。」とか。
産後2、3ヶ月はお酒も、飲んだときの精神状態がどえなるか不安だったので断酒を続けていたし、「生きてたら今ごろ授乳でおっぱいガチガチになるから生クリーム食べれなかったよな」と思って、しばらくはデザートも控えてたから、一気にダイエット成功しました!(笑)なんなら妊娠前より5キロくらい減りました。

それから、同じ時期に出産した幼なじみに、オムツとか新生児グッズを届けました。亡くなった子のために買っておいたものなんて、縁起悪いってイヤじゃないかな?って心配しましたが、喜んで受け取ってくれました。そして、赤ちゃんを抱っこさせてもらいました。「こんなに軽かったっけ?!」ってただひたすらに可愛かった。

赤ちゃんを亡くされた方、いろいろとその方によって感じ方は違うと思うのですが、私の場合は、赤ちゃんに会いたい、会っても大丈夫だし、赤ちゃんの話題とかも、変に気を遣ってもらわなくても大丈夫でした!!

でも、家の中にある、伶果ちゃん用に用意したものを片付けました。ベビーバスとか、車のベビーシートとか。赤ちゃんの小さな服とか。目に触れるところにあると、これはやっぱり、キツかったです。

遺骨は、納骨する気になれず、リビングで一緒に生活しています。「供養してお墓に入れてあげないとかわいそう」という声も聞きますが、私たち夫婦は、伶果ちゃんにとって誰も知り合いのいないお墓に一人で入れる方がかわいそう、と感じたので、夫が亡くなったときに連れて行くと言っています。
宗教を大切にされる方など、いろいろと言う人もいると思いますが、ここは、親である私たちの思う通りにしていいんだと、自分達の気持ちを大事にしています。

遺骨を少しだけ入れられるペンダントも作って、日常でも連れて歩いて一緒にいます。

それまで、お花を飾る習慣はなかったのですが、いつもお花を置いてあげるようになりました。
ただ、私にお花のセンスがないので、和花と洋花が交ざって、自分でも「これはヒドイ」と思う状態になっていたりしました(笑)。最近、お花の定期便という、数百円でポストにお花が届くサービスを使い始めました。これで上品なお花が飾れるようになりました。

実家の母が、クラフトの小さなグランドピアノを、伶果ちゃんの1歳の誕生日にくれました。伶果の「伶」には、「清らかな音」という意味もあるって夫が調べてくれていて、その話を覚えていた母が、手作りしてくれました。
遺影の前に、このピアノを置いたら、長女マルが「これで伶果ちゃんも歌えるかな?」って話しかけていました。

マルは、「伶果ちゃん、ただいまー」とか美味しいものを食べたら「伶果ちゃん、パクっ!」と分けてあげたり、お姉ちゃんみたいなことをやっています。友達が遊びに来たときは、「伶果ちゃんだよ」って紹介してます。
私たちがそうしなさいとは、一言も言ってないのに、マルの中ではどういう存在なのか、気になります。写真を見ては「伶果ちゃん、起きないねぇ」とか、「大きくならないのかな」とか言うこともあります。
あと、この一年、赤ちゃんがえりもしていました。人がいるとそうでもないんですが、家で家族だけだと「だっこーミルクー、ミルク飲むでちゅ」と赤ちゃん抱っこでおっぱいを飲むフリをしていました。
私にとっては、もう一度できなかった授乳を、やらせてくれているようで、あたたかい気持ちになります。なので、できるだけ赤ちゃんがえりには付き合うことにしています。この赤ちゃんがえりも、そのうちできなくなると思うと、15キロの赤ちゃんでも、なんとか腕も頑張れます(笑)。

うちには長女がいたから、笑って過ごせています。同じように、お子さんを亡くされた方でも、たった一人のお子さんを亡くされた方を思うと、うちはまだ救われていると思います。
長女マルの成長と、毎日のドタバタした生活が、日々を生きて、前に進む活力になっています。
また、無事に生まれたお子さんや、成長されたお子さんを亡くされた方は、その分たくさんの思い出もあるので、もっと辛いだろうなぁと思います。

マルは、どうか、私より先に死なないでね。

親より先に死んではダメ、という意味がよくわかります。

あと、おかげさまで、今は毎日笑って過ごせているのですが、わたしが子を失った喪失感を乗り越えるためにしたこと、考え方については、また改めて書かせていただきます。

読んでいただきありがとうございました。

出産翌日に続く

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