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チャイナチェア Fritz HansenFH-4283

1943年ハンスJ・ウェグナーは中国の王室で使われるような椅子を博物館で見て影響を受けてできた椅子がこのチャイナチェア。現在ハンスJ・ウェグナーの椅子と言えばPPモブラー社かカールハンセン社が多く、フリッツハンセン社は極々少数。当時デンマーク家具の全盛期は70を超える工房があったと聞いている。なぜハンスJ・ウェグナーはフリッツハンセン社に製造を託したのか…。彼のその後のデザイン遍歴から見ておそらく、当時この背板の整形合板の構造を実現できるメーカーが唯一フリッツハンセン社だったのでは…。その後フリッツハンセン社からは整形合板でできたアルネ・ヤコブセンのセブンチェアやアントチェアが生まれている。

1943年と言えばハンスJ・ウェグナーは29才。この椅子を親友のボーエモーエンセンやデザイン講師のコーアクリントに見せたら、椅子になぜこんな装飾が、貧弱、工程が多すぎてコスト高…。(側面の掘り、ひじ掛けを支える束、背板の合板等)基本に忠実な彼らの意見は辛口。

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実際ひじ掛けに大きな力を加えると少したわむ。

当時の周りの人たちからは悪評となるが、彼はこれをバネに今後進化を遂げ6年後の1949年ザチェアの誕生となる

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左からチャイナチェア→チャイニーズチェア→ザチェア→Yチェア…1943~1950年までの進化。

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いつしか椅子は座るだけの道具ではなく美しさやカッコよさで心を満たすアイテムとしても求められるようになりこのチャイナチェアもそんな存在の一つ、美しさに妥協なき宮脇檀氏のコレクションの一つにもなっている。事務所30周年の記念に贈られた椅子と彩さんの著書「父の椅子男の椅子」にもあった。

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offessoではどのようにしてザチェアが生まれたのかデザイン遍歴を実際の椅子を交えて体感できる。「椅子のコンシェルジュ」有料制接客


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