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50点の今日

朝起きたら雪が降っていて、きっと今日は一日曇りだろうな〜と気持ちが沈んだ。

ところが最近の空はなんともきまぐれなものだ。昼前に自室で卒研発表を聴講している私を見つけると、窓から覗いて澄み渡った青空と眩しい日差しで誘惑してくる。

空が綺麗だよ〜。外に出ようよ〜。
え〜?アポ無しの快晴困るんですけど???

晴れた以上、外に出ないといけない気持ちになってしまったから、発表の休憩を見計らって
休みに入って暇だ〜と呟いていた中学時代の友人を誘って出かけることにした。


せっかくの天気なので歩いて目的地まで向かう。
大通りなのに信じられないくらい車通りが少なくて、平日の午前ってこんなに時間の流れが緩やかなんだなぁ、いいなぁとしみじみする。この時間、普段は学校でぼーっと授業を受けていることが心底勿体ない。
朝の曇りようからは考えられないほど綺麗な空で、君が落とした青空の公開日に相応しい天気だったなぁなんて今更ながら書いていて思う。
あ〜、はやく観にいきたいよ〜。

友人と落ち合うと、いつぶりだろうね?と始まる会話。なんと一年以上会っていなかった。
近況を報告し合いながら、平日の人がまばらなショッピングモールをふらふら歩く。
2人ともオタクなので、会わないうちに好きになったジャンルや推しの話が会話のほとんどを占めた。

興味が無かったら申し訳ないという理由から、ひとに自分の好きな人達の話を一方的にするのは避けていたけど、あまりに真剣に聞いてくれるものだからつい熱く話してしまう。嬉しいし楽しい。
トラジャの話をしている最中に、自担って単語通じるのかな?と疑問に思った私はうみくんのことを「担当の子がさ〜」ってずっと言っていた。名前で呼ぶのはなんか、小っ恥ずかしいし。

ひととおり見て回って、部活の思い出話をしながら帰った。戻りたいけど戻りたくない中学時代。楽しかったけれど、ずっと必死でつらかった中学時代。ひとつ思い出すと、芋づる式でいろんな気持ちが蘇ってくる。


用事を済ませて、まだちゃんと読めていなかったのえまる定期更新をじっくり読む。
ちょうど思い出していた中学の頃の自分とのえるさんの文を、勝手に重ねてちょっと泣いた。

宿題を見せて欲しいと頼られるのが、試験の順位で褒められるのが嬉しかったのと同時に、私がやらないと、無理してでも保たないと先生やクラスメイトから見放されてしまうのを想像して怖かった、歯を食いしばって90点を取り続けていたあの時の私。部活のみんなにも、50点の自分は見せられなかった。きっと誰も離れないでいてくれたのに、見栄を張って見ないふりしていた。

のえるさんの文章が好きだ。彼自身の話であっても、自分が救われたり、気づかされることがたくさんある。
のえ担ではないけれど、90点を取ろうと頑張れるところも、時々90点以下になっちゃっても、私は愛おしくて大好きだよ。


今の私はみんなの愛を素直に受け取って、50点を隠さず見せられるようになったと同時に、のえるさんとは違って90点をとることも難しくなってしまった。
それでも今楽しく生きられているのは、頑張って90点を取り続けてくれた3年前までの私のおかげだから、過去の自分に愛を送る気持ちで、今の自分を愛していく。

今日の私もたぶん50点、もしくはそれ以下。だって天気の誘惑に負けちゃってるし。けどそれも愛すべき自分で、充実した日かどうかでいったら100点なんじゃない?と都合よく思うことにする。


おしまいっ

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