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ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2023「サーフ ブンガク カマクラ」

※本記事はツアーのネタバレを含みます

 アジカン初ワンマンに行った。ワンマンが初というのであって実は昨年のアラバキロックフェスでアジカンと運命的な出会いを果たしている。一曲も知らなかったけど友人が見たいと言うので私も見るかーくらいのノリで残っていなければ今後知ることもなかっただろう。夜の野外フェスマジックかと思われた感動はずっと続いて、その後とんでもない勢いでアルバムシングルを聴き漁りいつかはワンマン行ってみたいなーと思いつついた。
 そんなところに絶好のタイミングでサーフブンガクカマクラ完全版リリースの知らせが舞い込み、ツアーが発表。友人(先ほど出て来たのとは別の)に行かないかと誘われたので思い切ってチケットを取った。

 ここ数年は行き慣れた好きなバンドのワンマンツアーにばかり頻繁に足を運んでいたので、初めてワンマンライブに行くという経験は3、4年ぶりくらいになる。ファンの雰囲気も違う上に、フロントアクトの出演あり、アンコール撮影可能という私からすれば特殊な形態のライブにドキドキする。

 一緒に行くメンバーは私の他に3人、現地集合にして示し合わせたわけでもないのに私も含め全員ジージャンで登場して爆笑した。衣装をストライプシャツで統一しているメンバーに負けないほどの仲良し感が出てしまった。

 整理番号はスタンディングの後ろのほうだったので余裕を持って並んで入場。さすがは長年活動しているバンドだからなのか、入場時に走ったりワンドリンクチケット(仙台GIGSではチケットの代わりにピックがもらえる。良いサービス。)交換の順番を抜かしたりという事態も起こらずにスムーズに会場内に入ることができちょっと安心した。

 今ツアーは前述したとおり幾つかの会場(ホール公演)を除いてフロントアクトの出演がある。仙台公演はラブリーサマーちゃん。
 グッズ列に並んでいるときに休憩室のようなエリアでラブリーサマーちゃんの楽曲が流れているのを耳にして、これは好きかもしれない…と思っていた通り、キュートでかつパンチのある演奏がとても格好良かった。アジカンのライブに来たことを忘れるような堂々っぷりと溢れ出るリスペクトに心を掴まれる。カバーのループ&ループもそっくりそのままコピーするわけではなく、本家とはまた違う色が感じられて既に大満足。ステージ上も全部ひっくるめて良い雰囲気が流れていて最高だった。

 そしていよいよ本命とも言えるライブ本編が開演。セットリストは以下。

SE.湘南エレクトロ
1.藤沢ルーザー
2.石上ヒルズ
3.鵠沼サーフ
4.荒野を歩け
5.江の島エスカー
6.ホームタウン
7.七里ヶ浜スカイウォーク
8.追浜フィーリンダウン
9.腰越クライベイビー
10.極楽寺ハートブレイク
11.長谷サンズ
12.桜草
13.日坂ダウンヒル
14.西方コーストストーリー
15.Surf WaxAmerica (Weezer cover)
16.柳小路パラレルユニバース
17.稲村ヶ崎ジェーン
18.ループ&ループ
19.アンダースタンド
20.由比ヶ浜カイト
21.和田塚ワンダーズ
22.ボーイズ&ガールズ
EN1.遥か彼方
EN2.羅針盤
EN3.未来の破片
EN4.鎌倉グッドバイ

 アルバムをひっさげたツアーというのも、そのバンドごとにセットリストに色が出る。アルバムから引っ張って来る曲の割合もピンキリで、どの曲を抜粋して、どこに組み込むのかで印象が全然違ってくる。

 1、2曲目はアルバム収録順に沿って藤沢ルーザーからの石上ヒルズ。冒頭からテンションが上がる。サーフ ブンガク カマクラのツアーに来た感がグッと増す。私は海がめちゃくちゃに好きなので、完全版になる前のアルバムもかなり好んで聴いていた。風のうわさで残りの駅の曲も出るらしいと耳にしていたのだが、初ライブがそれのリリースツアーになるとはなんとも嬉しい。

 そして驚いたのが、アルバム収録曲を全曲演奏していることである。ライブ直後は高揚感でセットリストのことをほとんど覚えていないから後でゆっくり見返すのだけど、セットリストの半数以上がアルバム収録曲で構成されている。(アルバムの収録曲数が15曲なのでそりゃ全部入れたら半数以上になるんだけども)今までアルバム収録曲を全部やるリリースツアーに行ったことがなかったので、個人的に衝撃だった。アルバム内のどの曲が好きな人も嬉しい仕様。

 1、2曲目がアルバム順になっているというのは前述したが、他にも10.極楽寺ハートブレイクと11.谷サンズ、20.由比ヶ浜カイトと21.和田塚ワンダーズと二連になって曲順がそのままになっている部分が存在していた。アルバムを聴いていても曲間のつなぎや曲調の面からこれらの曲たちは続けて聴くのが一番気持ちが良いな~と思っていたので、これがあることでよりアルバムの世界観に没入できた。

 外は曇っていて肌寒いのに、会場内のじんわりとした熱気が初夏の気候を呼び起こして潮風さえ感じる。ワンドリンクをなんでお酒に交換しておかなかったんだろうと後悔した。サーフにはお酒を片手に海を眺めるみたいに聴きたい曲が多すぎる。

 サーフ以外の曲で言えば、ループ&ループが入っていたのはラブリーサマーちゃんのカバーもあって胸熱だった。遥か彼方はアラバキで初めて聴いて大感動した時のことを思い出した。また聴けて嬉しかった。

 アンコールでは写真撮影可能とあってどんなものかと思っていたが、思いの外嫌な気持ちにはならなかった。MCで数枚撮って、アンコール曲の間は正直曲に集中しすぎて撮る余裕もなかった。

 興奮のあまり曲の詳しいことは今でも思い出せないし、アジカンはいかんせん積み上げてきた歴のぶんだけ曲がたくさんあって、一通り聴いたものの曲を聴いただけでは曲名が出てこない、ノリも分からずの状態でのライブだった。けど予想以上に楽しくて最高で、ライブってこういう所が良いよねみたいな要素がぎゅっと詰まっていた。細かいところ一つ一つをレポに書けるくらい覚えているライブよりも、なんかよく覚えてないけどすごくよかった!と思えるライブの方が後々記憶に残る気がする。
 完璧に知らなくても、勢いでワンマンツアーに飛び込むのもたまにはいいな〜と思った。まだまだライブで聴きたい曲が山ほどあるし、ライブハウスツアーやりたいねという話があがっているみたいなので次ツアーも行きたい。楽しかった。

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