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透視図法関連

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趣味の研究です。透視図法の理論の徹底解剖や、独自技法の開発など。
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「透視図法の絵」と「肉眼の風景」の違いが分かる3つのポイント 【透視図法の科学1】

キーワード|透視図法の装置, 足線法の原則, 幾何学法則, 両眼視差, 網膜の歪み| どうも透視図法オタクのお絵描きホーホー論です。この記事は、透視図法の仕組みを科学的・数学的に証明しながら解説することで、絶対に間違わずに理解できる講座です。透視図法を勉強中だけどイメージが掴めないとか、すでに透視図法は使えるけど理論は理解していないという人は、ここで紹介する透視図法を理解する3つのポイントを参考にして透視図法の体系的なイメージを掴んでみてください。 透視図法を理解する3つ

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構図デッサン ~お絵描き手順の条件分岐~

TOPICS演出意図でなく描画手順で構図を分析。理屈で描くシチュエーションと感覚で描くシチュエーション| 描写ではなく描画する技術を知りたい現在の研究テーマであるお絵描きのメカニズムについて執筆しているとき、図解を作成することにつまづきました。この時やろうとしていたのは、作画に使われる絵の記号をカテゴライズして、個々の記号の使い方を実演するつもりでした。しかし、記号の使い方は理解できているのに、記号を使うための解説用の画像の適切な構図がなかなか思いつきません。どういう構図な

対角線分割法 概論 〜透視図法の空間を対角線で測るアイデア集〜

TOPICS|透視図法の原理の根幹を成す「対角線分割法」の解説。お絵描きの空間測定に役立つ| 今回の記事は以前から独自開発していた対角線分割法のとりあえずの完全版リリース報告です。半年前に「透視図法の基本原理「対角線分割法」誕生の軌跡 〜3次元を2次元に変換する仕組み〜」の記事でキッカケを掴んでから実用性の模索をしていたのがやっと形になりました。 本来の透視図法は、被写体のシルエットを透明板にプロットしていくという原始的な作図方法です。透視図法に目線の高さ(アイレベル)と

ユアッサーの法則の画角メーターで学ぶ奥行きの「縮小」と「圧縮」

TOPICS|ユアッサーの法則の画角メーターの原理を参考にして、透視図法の奥行きの「縮小」と「圧縮」を数学的に定義| 現在開発中の「対角線分割法」は「足線法」の原理を比率計算で短縮して再現することが目的の手法です。対角線分割法はまだ比率計算ができると分かっているというだけで、作図に活用するにはどうすればいいのかが分かっていません。これまでは自身の考察から得られたデータを基に開発してきましたが、今回は足線法に則った既存の手法から考え方を輸入します。 湯浅誠さん(@yuass

ありそうでなかったM点法の原理解説 〜地平線に隠された秘密〜

TOPICS|M点法の作図手順の根拠が解説されているのを見かけないと思い、自分で奥行きが測定できる原理を幾何学的に解説| 奥行きの長さを作図するD点法・M点法D点法とは正方形を作図する手法で、1点透視図法の距離点DP(ディスタンスポイント)、または2点透視図法の対角消失点DVP(ダイアゴナルバニッシュポイント)を使います。ただし、D点法で作図できるのは単に正方形というだけで、決められた奥行きの長さで作図することはできません。 そこで奥行きの長さが作図できるM点法です。M点

透視図法の基本原理「対角線分割法」誕生の軌跡 〜3次元を2次元に変換する仕組み〜

TOPICS|台形の性質を利用して空間測定する「対角線分割法」の考案過程| 次に書こうと思っている記事は独自に名付けた「R点法(比率点:Ratio Point)」についてかなぁと思ったままいいアイデアがなくて放置していたけど、そうしているとTwitterでいい話を発見した。タイムラインで見た「1/2M点法」に関する考察ツイート。『最新透視図技法 図法編』という古い本からの抜粋とのこと。ここから着想を得て「対角線分割法」なるものを考案するまでのレポート。 画面内で奥行きの作

3点透視図法の解剖図 〜なぜ4点ではなく3点なのか〜

TOPICS|3点透視図法の全貌を把握するための全体図を考案。複雑な3点透視も垂直と水平に分けてシンプルに理解| この記事は3点透視図法を理解するために必要な情報が詰め込まれた決定版です。これまでにも3点透視図法の原理を分かりやすくまとめようと様々な考え方を提唱してきましたが、ここ最近の学びと閃きでついに3点透視図法の全貌を把握するための「3点透視図法解剖図」を完成させることができました。 透視図法を勉強するとき、1点透視図法、2点透視図法までは平面的なイメージで理解がで

パース理論の完全形態「透視図法解剖図」

TOPICS|透視図法の全貌を把握するための全体図を考案。2点透視図法の要素を全て詰め込んでシンプルに理解| これまで透視図法について散々考察を重ねてきましたが、やっとまともな形で理論化できたような気がします。思い返せば、透視図法の知識が全くない頃に書いた「建築パースを徹底研究!パース理論の基礎知識と描き方」の記事では情報量だけが溢れて結局明確な結論は得られず、「視円錐を使って考える望遠パース・広角パースの描き方」の記事で視円錐というものを知り、「一瞬で背景イラストのアング