3分小説①

ギャクタイ

私の本籍地は新宿
かっこいいでしょ?
生後2ヶ月でいなくなった父との唯一の写真も新宿中央公園だ
その後は母になりたくてもなれなかったのか、そもそも母になるつもりなんかなかったのか
そんな19才の母と2人きりの生活が始まる
生きるために水商売を始めた母
私は近所の一般家庭に預けられる事になる
記憶があるのは多分幼稚園に入る前位の年
家から歩いて3分、ベランダから見える所にあるアパートに暮らす4人家族
後に母が言うにはかなりの金額を支払っていたと聞いた
だけど、私はずっとその家で疎外されていた
夕飯は私の分だけ取り分けられ、食べ終わったら直ぐにハミガキもそこそこに寝室へ行かされる
磨りガラスの引戸1枚で仕切られた隣の部屋で、家族はテレビとデザートの時間
私も見たかった番組を見て大笑いしたり
「イチゴは1人何個までね」など、果物が大好きだった私には本当に辛い時間
それが終わり皆が床につくと、今度は夫婦の時間
その家族の子供達は私より小さかったし、1日に満足してとっとと寝るけれど私は直ぐには寝れず、その会話・音を聞いて更に寝れなくなる
その行為が終わるまで寝れない
だから、いつも悲しくて悲しくて辛くてお母さんに会いたくて家族が寝静まった後で、アパートを抜け出して1人暗い中をトボトボと自分のマンションに帰った
水商売をしていた母は帰りが遅く、部屋は真っ暗らでピンポンしても誰も出てこないけど、廊下にうずくまりお母さんが帰って来るのを待った
おしりが痛い
どのくらいの時間が経ったとか、もちろんわからないけれど…
帰宅したお母さんが私を見付け激怒して言う
「何であんた、ここにいるの!」
その後ろには見知らぬ男の人
あわてて部屋に入り預け先に電話しているお母さん
何故だか帰らない見知らぬ男の人
私は散々叱られた後、直ぐに寝る様に言われ、カーテン1枚で仕切られている一番奥の部屋のベッドへ追いやられ
カーテンが閉まる
途端、急にお母さんの声が変わり、隣の部屋から見知らぬ男の人とお母さんの声・音
また寝れない時間が続く


【作者より】この小説をここで売ろうと思い書き始めていくつか出来たので
どうやってやるのか調べたら、どうやら携帯では販売出来ないみたいで…
けれど、わが家に高価なパソコンは無くて
とりあえず『スキ』がどれだけ貰えるか知りたくて公開しました。
気に入って先が読みたいなーなんて思ったら『スキ』お願いします。

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