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HR Technology Conference & Expo2022視察レポート①

株式会社オデッセイ

こんにちは。オデッセイ秋葉です。
今回は、9月12月から9月16日にラスベガス マンダレイベイで開催された世界最大規模のHRTech専門イベントである「HR Technology Conference&Expo」へ視察に行って参りましたので、そのレポートを2回にわたってご紹介したいと思います。
私個人としては、2018年、2019年に続く3回目の参加です。

1.    HR Technology Conference&Expoとは


会場となったマンダレイ・ベイホテル
EXPO会場

ご存じの方も多いとは思いますが、念のため「HR Technology Conference&Expo」について簡単に紹介させていただきます。
【歴史】第一回の開催が1997年。偶然ですが、オデッセイが創業した年と同
    じです。既に四半世紀以上にわたり、HRTechを専門に追求してきた 
    イベントです。
【規模】2022年はセミナー140回、展示会出展企業数427社
    来場者は例年10,000名前後と言われています。
【位置づけ】「世界最大規模のHRTech専門イベント」と紹介されることが
    多い世界有数のイベントです。私自身は「世界最新のHRTechソリュ  
    ーションやトレンドに関する情報を入手できるイベント」と捉えて
    います。
【その他】開催期間中のすべてのセミナー、展示会に参加できるプレミアム
    パスは、日本円にして約195,000円/人。2022年は記録的な円安とあ 
    って例年よりも高く感じますが、それを差し引いても個人が気軽に
    申し込める金額ではないですね。20万円弱の金額を支払ってでも情 
    報収集に来る価値があると考える来場者が毎年10,000人ほどいるの
    ですから、イベントに対する信頼性も高いと言えるでしょう。
    ベンダー側も各種スポンサーとして協賛しており、HRTech関連の主
    要企業は名を連ねています。ちなみに、2022年のダイヤモンドスポ
    ンサーは以下の16社でした。
    VISier, eightfold.ai, cornerstone, UKG, Servicenow, indeed, atlas,     PARADOX, ORACLE, Microsoft, workhuman, SAP SuccessFactors,     Dailypay, workday, Pearson, PTOGENIUS      
 【2022年の傾向】参加前にEXPO出展企業をテーマ別に集計してみました。
   (各企業複数テーマで出展しています)
    <上位5テーマ>
     ①エンゲージメント(83社 19.4%)
     ②要員計画/分析(70社 16.4%)
     ③AI(60社 14.1%)、オンボーディング(14.1%)
     ④ウエルネス(48社 11.2%)
    ※タレントマネジメントのテーマで出展している企業が110社あり 
    ましたが、範囲が広すぎるので上記ランキングからは外していま  
    す。注目度が高いと見ていた「AI」よりも「エンゲージメント」や  
    「要員計画/分析」が出展社数では上回る結果となっています。
 

2.【講演①】 HRTechと言えばこの人「Josh Bersin」


Josh Bersin


今回の視察で私は11講演に参加しましたが、その中から興味深かった講演を2つ紹介したいと思います。
まずは、HR Technology Conference&Expoの常連で、HRTechの専門家として名高い、Josh Bersinの講演から紹介します。
Josh Bersinは、 2日目の基調講演に「HR Tech EXCLUSIVE | The Disruption Never Stops: What’s New and What’s Ahead in the HR Tech Market(HRテック限定 |混乱は止まらない: HR Techマーケットの最新情報)」のタイトルで登壇しました。
今年は下記の15項目のテーマを取り上げており75分間の講演時間にしては盛り沢山の内容でした。

1. The HR Tech Market, What a Year
2. A New HR Tech Architecture
3. Employee Experience Takes Off
4. Next-Gen HCM Has arrived
5. Frustrating Progress on SkillsTech
6. Rapid Emergence of Talent Intelligence
7. AI-Based Talent Acquisition Is Real
8. Talent Marketplace Is a Platform, Not a Feature
9. Learning and Growth Come Together
10. Employee Listening Integrated Platforms
11. Explosive Growth in People Analytics
12. Performance and Pay Come Together
13. Wellbeing Market Continues to Grow
14. Microsoft Becomes a Juggernaut
15. You Need to Manage the HR Tech Mess

いきなり冒頭から、私にとっては新たに認識させられることがありました。それは、市場環境に関する説明のなかから伝ってくるアメリカの深刻な労働力不足という現実です。日本でも「少子高齢化」「労働人口の減少」はよく取り上げられますが、それ以上にコロナ以降のアメリカでは深刻な問題として広く浸透しているようです。
その後Wikipediaで調べたところ(https://en.wikipedia.org/wiki/Great_Resignation
労働力不足の一因としては、2021年初頭から起きている「The Great Resignation(大辞職)」と名付けられた「従業員が一斉に自主退職する現象」がパンデミック後の経済トレンドになっていることも関係しているようです。josh Bersinも講演のなかで、
 ➡アメリカの2022年8月の月間退職者数が420万人で離職率は2.7%
  ※過去30年の平均離職率は1.9%
 ➡アメリカ国内の労働者の1/3が転職をしている状態
 ➡Burnout(燃え尽き症候群)で退職リスクのある従業員が全体の81%   (2019年63%)
と危機的な状況を説明しています。
そのような環境のなかなので、どうしても「労働力確保」のための「離職防止」「リスキル」「採用」等のソリューションに関心が集まっているようです。
そんななかソリューションの動向としては、いろいろと紹介がありましたが、なかでも私は「タレントインテリジェンス(Talent Intelligence)」と呼ばれる、従来からあったような、無かったような微妙な名前のソリューションに一番関心を持ちました。Josh Bersinの説明では、「Talent Intelligence」は、最近急速に浸透が進んでいるとされ、「HR Anarlytics」(Level1)⇒「People Analytics」(Level2,3)⇒「Talent Intelligence」(Level4)と進んできた人事データ分析の進化形であると紹介しています。
また、用途としては、データを収集、分析、予測して以下のテーマを効果的に進めることを目的としているようです。
●Recruit(募集/採用)
 ➡人材の調達、ダイバーシティ・リクルーティング、ワークフォースアナ 
  リティクス、労働市場分析

●Retain(確保/定着)
 ➡ピープル・アナリティクス、報酬分析、生産性向上、リテンション
●Reskill(リスキル)
 ➡スキル分類、スキルアップ計画、キャリア・パス、教育
●Redesign(再設計)
 ➡ジョブ・アーキテクチャー(職務の枠組み)、組織設計、立地計画、労
  使戦略

Level3の「ピープルアナリティクス」との違いは、分析対象にするデータの種類の豊富さのように感じました。
プレゼンの中でも、従来の人事関連の情報に加えて、経済状況や業界の情報、労働市場の情報、地理的データ等も加味して時系列で分析/予想する仕組みと説明されています。
これからの人事情報分析はタレントインテリジェンスに向かっていくのかと感じつつも、これだけの広範囲の情報を収集し、維持・メンテナンスしながら活用していくためには、情報収集のための仕組みが必要とも感じました。アメリカでは、この様な業界の様々な情報が日本に比べて容易に入手(購入)できる仕組みがあるようなので、普及しやすいのかも知れません。
 Josh Bersinの講演では、その他にも興味深い情報が多々ありましたが、また別の機会にご紹介させていただきたいと思います。
 
第一回はここまでです。次回は、NBA ダラス・マーベリックスのCEO Cynthia Marshallの講演やEXPOの状況をご紹介させていただきます。


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