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紙月船〜Shigetsusen〜


ぼくらはたぶん そこそこ長い旅路をゆく
空から いつも雲の匂いがする なみだや綿飴に似てる
どんな快晴の日にだって

そうだ ペーパームーンで零の船を折ろう
かなしみ よろこびとか 船を揺らすその輝きたちを
まるっと載せられるように

終末を壊す 雷を待っている
僕の魂を貫く 彼女を待っている
クズ共の心を壊す 音を鳴らそうとしている
世界は美しい とかどーでもええんだよ
一瞬のきらめきのために
肉体の内側 一番狭くてピュアな場所で暴れている
そうやって漏れ出した音がロックンロールかもね


くだらないと わらえれば上等で
くだらないと吐き捨てれば どうしてこんなにもやりきれないんだ
世界中 幸福でありあまる日を待っている
大事な人以外 どうでもいいとも思っている
死にたがりの明日に よろこびが降るなら
それはより一層 噛み締めるのだろう
このちゃちな光紙でつくりあげた船は
名も知らぬ羽虫の息程の想いで浮かんでいる
ほら こんなにもひたすらに 無意識に今を漕いでいるんだよ


終末を壊す雷を
僕の魂を貫く彼女を
クズ共の心を壊す音を
そうやって愛の核爆弾をつくろうぜ
お袋の味のスープみたいな
やっとこさ夏が来た時には
青藍に沈んでゆくラムネに赤いレモンを搾ってさ
陰に埋もれる過去と ゆくとした未来に乾杯をしよう

真昼の月に寄り添う黒曜石の破片に手を伸ばしてみる
暗闇を漂っている
もうひとつの紙月船の元へ
僕は向かう

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