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運命共同体

真っ黒な富士山の頭に
ほんのりと雪が積もった

朝から得した気持ちになった
職場に出勤すると
「富士山、雪降ってたね」
って、会話になった

年齢立場関係なく
みんな富士山を見上げている
気がつくと富士山を探している

なぜだろう?

もしかしたら、
変わらずそこに居てくれることに
安心しているのかもしれないな

いつどんなときも
雲に隠れて見えなくても
その向こう側にあることを
信じて疑わない

思っているより短かったワタシの命の100年
その後もそこに在り続ける富士山の10000年

壮大で想像できない時間軸を
考えることなく生きていく

私たちは不安定な日常に
変わらない安心感を
無意識に探しているのかもしれない

何が建っていたか思い出せない空き地

手を添え笑顔で渡してくれたレジのおつり

昨日までLINEしていた友の訃報

目に映るこの景色は永遠ではない
この世界には変わらないものはない

そんなことわかっている
でも、信じてる
そこにあると信じてる
みんな、見上げて信じてる

「富士山噴火したら、おしまいだね」
笑って話す本気の冗談

まるで運命共同体
あらがえないことがあることを意識した

もしかしたら、
富士山を見上げる人は
自己肯定感が高いのかもしれない

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