父親と息子とバリカンと
いつもより早く仕事が終わり、家路を急ぐ運転席。ハンドルを握る右手は何も考えなくてもいつもの道をたどり、アームレストに置かれた左手がビートを刻む。仕事でいいことがあると、そのままプライベートに影響するものだ。車庫入れも軽やかに自宅に到着した。上機嫌で車のドアを開けると玄関先で話す、父と妻の声が聞こえてきた。自宅は、実家の隣に建てたので距離的なアドバンテージも手伝い、親との距離も近い。子どもたちが実家とを行き来し、妻も上手に振る舞ってくれているおかげで親子のコミュニケーションが取