素人がデスク用品を作り始めたら地獄を見た話 その2
(素人がデスク用品を作り始めたら地獄を見た話 その1 の続きです。)
(一人称が多めなので苦手な方はバックスペースを)
どこから始めるか?
さて、作ると決めたはいいものの何から始めるか。
とりあえず資材を発注しました。作る素材がないと始まらない。
コルク板とアルミ板です。
手元に来てしまえばなんか必要なものは思いつくだろう。
ということでまずコルク板が手元に来ました。
でっか!!!
厚さ20mmのコルク板です。ミリ単位なんて文字にすると小さく思えますよね。
弾丸が20mmだと戦車撃ち抜く厚みになります。厚いです。
え、でどうするのこれ?もしかして大変では?
ただ実際に手に取ってみて、取るべき行動は「彫る」であろうことはなんとなく理解しました。
彫るための道具…彫るもの…使ったことがあるもの…
遠い記憶を思い出しました。
こいつ。
来ました。
想像以上に懐かしい。小学校以来の彫刻刀。エモささえ感じます。
あとはアルミ板を直角に曲げる器具。言葉に出してみてすでに矛盾を感じています。人はアルミ板を直角に曲げるの?
取り急ぎ アルミ板 曲げ で検索。曲げ器なんて言葉あるか知らないけど。
あるんだ!!!!人の手使ってる場合じゃないわ!!!!
ていうか「ハンドシーマープライヤー」って言うんだ。
おそらくこの感動、私の言葉では全く伝わらないと思っているのですが、
数千円で絶対不可能だったことが可能になるかも、と希望が見えた時の感動。
こういうのもDIYの魅力ですね。この時点で何も作ってないんですけど。
到着しました。
想像以上にゴツい。
そうして最後に来ました。アルミ板。
めちゃくちゃ綺麗!
アルミの質感てすごいですね。この板だけでもなんとなく尊い感じが出てきます。
ただ、当然と言えば当然ですが、
分厚い。
全然曲がらない。
びくともしない。3mmってこんなに厚かった?
そして大事な事実に気づくのですが、
結構アルミの板って傷がつきやすいんですね。
これ、「ハンドシーマープライヤー」で曲げようとしたらもっと傷がついてしまうのでは…?
悩んだ私は隣人のおじさんに相談しました。
金属加工屋の知り合いに電話してくれました。
したら色々あって曲げてくれました。
やはり人の手でやる仕事じゃなかった。仕上がりが綺麗すぎた。
ここ本当残念なのですが写真で撮っていなかった。
ただ、ここまでで1週間ほどどうすべきか悩んでおり、その間私の机には行き場のない3mmの鉄板が横たわっていました。
他の使い道なんて泥棒対策の盾ぐらいしか思いつきませんでした。さすがに3mm通せるナイフなんかないし。おじさんにマジで感謝しています。
どう作った?
金属は曲がった!あとは彫るだけ!楽勝だろこれ。
と思っていた私に次の試練が降りかかります。
みなさまコルクって何でできているかご存知でしょうか。
小さい木くずなんですね。
なので彫るといっても一つ一つの塊はゴムのようで簡単に彫ることが難しく、彫るというよりは小さいゴムの塊を削り取っていくような作業です。
またワインの蓋に使われるほど高い機密性からわかるように、塊としては非常に高い強度を誇っています。
要は彫る(削る)のめちゃくちゃ大変なんです。
こんな感じで彫っていったのですが、
二時間経っても線一本。
握る親指がぷるぷる震え出しました。
(この時の写真が残ってなくて切なすぎる)
それでも彫る。とにかく彫る。
彫りさえすればゴールに近づける!
何度も心折れかかりながら、自分に言い聞かせて、
ついに
なんとか完成!!
ぶっちゃけ感動に打ち震える、みたいなこともなくて、
正直「これ以上はできないな」のような。「これで…許してやるぜ…」のような感覚でした。
そもそも完成ってどこだこれ…という。伝わるでしょうか。
ただ。
底はボコボコ。角はガクガク。
底面は全く滑らかじゃない。
なのですが、
ものを作ることの、なんと楽しいことか。
何も参考にしておらず作り方とか全くなくて、
ただただ「あのデスクトレイを作りたい」という一心でなんとかやりきることができました。
腱鞘炎寸前の肘を抑えながら、作ったボコボコガクガクデスクトレイを眺めてなんとも言えない達成感に酔いました。
ということで、記念すべき第一作目の「ミニデスクトレイ」(寸法間違えてた)が完成しました!
まとめ
資材を買う
道具を買う
彫る
接着する
という、全くなんとも一直線な工程でした。
コルクとアルミは専用の接着剤でくっついています。
コルク アルミ 接着剤 でAmazon先生から。
純粋な制作工程からしたらそれでも3日ぐらい。
ただ故あって土日しか作業ができないのと金属加工までの3週間ぐらいかかったのかな…
資材だけで言えば費用はおよそ全部で5,000円ほど。
私は機材も購入したのでもうちょっとしました。
感想
大満足でした。
とともに、
Grovemadeやっぱりすごいなあ
と思いました。
やってみて完全に納得したのですが、細部にわたってGrovemadeのクオリティを再現しようと思っても絶対にできない箇所ってあるんですよね。
例えば「コルクの底面を完全に真っ平にする」という工程があったとして、
絶対に「平にするための機械」が必要なんですよ。なぜなら当たり前ですが人の手では完全に平にすることができないから。
これだけの工程を踏んだ上でやはり手だけではこれ以上のクオリティアップを望めないんだなとも思いました。
あとそもそも線一本で2時間ですよ?
ただ、それでも自分が精魂込めて作ったものに対して、やはり愛情しか湧かなかったです。
何より5,000円弱で、Grovemadeの商品と同じ用途のものを、自分で作り出すことができた(と思い込める)のは本当に嬉しかった。まあ大好きな上司にプレゼントしたのですが。使ってほしいなと。
そして
「二つ目はもっと上手くできる」と次のことを考えていました。
この時に、ズボッと沼にはまったなあと思ったのでした。
自分で作ったからこそ生まれる愛着やこだわりが、
どんなに不細工な見た目でも制作物を「可愛い」と思わせてしまう。
これこそがDIYの醍醐味の一つかもしれません。
そして同時に思いました。
めちゃくちゃしんどかった!次は絶対手を使わない!
このままだと次は作り終わる前にしんどさが勝つ。
そう感じた私が手にしたのが、これ。
ここから石器時代の道具作りを一気に現代のものづくり的な何かへバージョンアップします。
そして(素人がデスク用品を作り始めたら地獄を見た話 その1 で触れた、今もなお私を苦しめる「強力な掃除機」問題が発生するのです。
その3に続きます。
(思い出しながら書きながら素材集めながら、とやっているのでダラダラとすみません)
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