減らすのは一流

2020-03-15 21:22:54

テーマ:保育・教育
仕事をする大人は、研修会や研修会にいく。

職種にもよると思うが、自社以外とは違う場所に赴き、仕事のスキルを
あげるための勉強というのは必須であろう。

保育の研修会というと、たまに「どんなことをするの?」と言われる事も
あるが。

当たり前であるが、保育の研究会や研修会はたくさんある。

最新の知見を聞ける場もあれば、スキルアップ的な研修会までジャンルは
幅広い。


中には「老舗」と言われる研究会も中にはある。数十年前から継続し、
主催している団体も組織化し、形が整っているものもある。

うちの園も、そういった老舗研究会に創設期からお世話になっていたりする。

ただ、ちょっと待って欲しい。

伝統がある老舗が、全ていいとは限らない。


たとえば、一般企業にもあるように、創業者またはその研究会の主催者だった
人が既にその会にいない場合。

主催している側も、なんでこの研究会が存在しているのか分からない?
という会がある。

あまり、身近な例を出すのもアレだが、当園の創業者に近い人が近隣の園と大学と
連携して始めた研究会が、もう30年近くある。

で、立ち上げた人もすでにおらず、立ち上げの時に関わった人もおらず、
なんのためにやっているのか、はたまた「音頭」をとるのが誰なのかも
分からない会もある。

で、各園は、「仕事」だから仕方ないという状況でやっている。


今までの先輩たちが築き上げたものを最近の言葉で「レガシー」という。

ただ、レガシーは、今の時代にも通用するコンテンツを内包するものであり
普遍的なものを示す。

一方、時代に合わなくなり、見直していくべきものもたくさんあるだろう。

ずっとやっていた

とか

先輩たちからひきつぐものだから

という、訳のわからん理由で、何を学ぶのかという本質的な意味合いもない遺産。

それは、オワコンという。


終わっているコンテンツ。


これを、継続している理由は、サンクコスト効果である。

サンクコストとは、経済論の言葉で、ようは「ここまでやったのに、辞めるなんて
もったいない」と思ってしまう人間の心理。

これは人間なら誰しもあるはず。

ここまでゲームに課金したのに、辞めるにやめられない

遮断機があくのに、これだけ待っていたのに、諦めて違う道から迂回できない
(*私はけっこうこれがある)

これを、先の会に当てはめるのなら、数十年継続し、大学や近隣園まで
巻き込んでいるのに、もったいないという心理だろう。


いや、違う見方をすれば再建できる可能性もないわけではない。

ただ、研究会というのは、ただ開催すればいい、継続すればいいという
ものではない。


最近強く思うことは、何がしたいのか、何を考えさせたいのか、
誰を対象としているのか、そういった明確なビジョンがない会は、
たいした学びが起きないということである。

ただ、偉い人の講演会をセッティングしたら学べるという、そんな単純なこと
でもない。

どんな経緯で成り立っているのか知らんが、「今」の主催者が明確な
メッセージを持ってないのなら、とっくに「オワコン」になっている、という
ことである。


ただ・・・オワコンになっているのは、みんな知っているのに
辞められないという企業体質。

増やすのは二流
減らすのは一流

辞めるという英断と決断を下す勇気を持つ、ということも
仕事をする保育者にとって必要な能力である。

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