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ウズベキスタン旅行③ 砂漠の街ヒヴァ

 翌朝、4:30にホテルを出て、再びタシュケント空港に向かいます。ホテルのお兄さんがタクシー呼んでくれたんだけど5ドルかかりました。昨日より高いけど早朝の迎車だからなのかな……まぁ国内線ターミナルのほうがちょっと遠いですしね。

 6時発のウルゲンチ行飛行機は観光客でいっぱい。前日のタシュケント空港には結構な人数の日本人がいましたが、この日のヒヴァ行きは欧米人ばかりでした。日本人にはサマルカンドあたりが人気なのかも。
 タシュケント空港内にはちょっとしたパンやコーヒーを売っているスタンドもありましたが、あらかじめホテルに頼んで朝食をテイクアウトボックスにしてもらっていたのでそれを食べます。割とおいしかったけど、スプーン忘れられててヨーグルトは食べられず。

ウズベキスタン航空の安全ビデオ、めちゃかわいくてよかった。YouTubeにあったので見て!蛇遣いおじさんとスマホ鳴らしちゃう兵士が好きです。
https://youtu.be/fRXu70OKNXw?si=JrE3tplAd0JFqxkd

 ウルゲンチ空港からヒヴァまでは30分ほどかかるのですが、あらかじめホテルにお迎えを頼んでいたので安心です。

 初日なので道路沿いに広がる一面の綿花畑を見てうわーこれが噂の国策綿花畑!とかいって興奮していましたが、2日後にはあまりにも多すぎて見飽きました。
 宿泊するホテルがイチャン・カラの城塞の中なので、タクシーがどこまでいけるのかやや心配だったのですが、さすがにホテル手配のタクシーなので狭い道をガンガン突き進み、スムーズに到着です。この運転手のお兄ちゃんは従業員ではなさそうなのになぜか昼間ずっと暇そうにホテルの近くにいて荷物運ぶの手伝ってくれたりして謎の自由人感がありました。タクシーに乗るなり「明日の予定は?」みたいな話をしたので、ブハラ行きのタクシーを手配してなかった場合でもこの人に頼んだら行ってくれた気がします。

 さて、ホテルに荷物を置いたらヒヴァの観光開始です。ホテルが西門のすぐ近くだったのですが、この西門を出たところにチケットセンターがあり、イチャン・カラ内のいろいろな施設(史跡とか博物館とか)に入れる周遊チケットを買えます。そもそもチケットがなくても城壁内には入れるので街を歩くだけなら不要なのですが、そんなに高くないし(15万スムくらいだった)、私は1日かけてじっくり観光したかったので購入。一応QRコードがついてて、各施設の入り口には自動ゲートもあるんですが、なぜかどこも機能してなくて、入口にいるおばちゃんにチケットを見せると入れるというアナログシステムでした。何のためのバーコード……。

 イチャン・カラ内は非常にコンパクトにまとまっていて、主要施設だけをぐるっと回るだけなら2時間もあれば充分でした。チケットで入れる施設は15箇所くらいあるのですが、その大半は古いマドラサなどを改装した博物館で、英語の説明などもなく古い壺とか皿とかが並べられているだけってところも多いので、よっぽど興味がある人以外はさらっと見て終わりかなという感じ。

 個人的には、ヒヴァ観光のメインは個別の観光施設ではなく、「砂の街」って感じの街中を歩くこと自体だなと感じました。どこ切り取っても絵になる。ドラクエとか(やったことないけど)、アラジンとか(見たことないけど)の世界に迷い込んだかのようです(知らんけど)。 

 せっかくなので塔にも登りました(ここは周遊チケットとは別料金)。高さ自体は40mくらいなのですが、階段の1段当たりの高さが大きいので小柄な日本人女性には少々厳しい。でも景色はきれいです。

登った塔の影が街に落ちていて面白い


かつてハン(王)が住んでいた宮殿も朝は誰もいない


ユルタ好きだった王様のために中庭にユルタが設置できるようになっている


縮尺がわからなくなる(しばらくぼんやりしてたらおばちゃんが出てきて大量に土産物売りはじめました)

 午前中は人も少なくて、案内表示もあまりない遺跡の中を一人きりで歩いていると、歴史の隙間に迷い込んだみたいな気持ちになれてよかったです。

 よかったんだけどね……。

 このとき私はまだよくわかっていませんでした。日光がいかに人間の体力を奪うのかを。
 到着早々から歴史の中に迷い込んだようなイチャン・カラの街並みを堪能し、張り切って一通りのスポットを回り終えたのがちょうどお昼ごろ。突然襲い来るしんどさ。

 もしかして:熱中症

 考えてみたら、前日は深夜に到着して当日は朝3時起床。ろくに寝ないまま延々と日向を歩けばそりゃ熱中症にもなります。イチャン・カラの街は街路樹も少なく日差しを遮るものがないうえに、道の表面も白っぽくて光を反射するので昼間はかなり暑いのです。乾燥しているので体感温度はそこまで高くないのですが、その分気づかないうちに体力が失われて行く。

 ということで、ここでいったんホテルに引っ込んで休憩。チェックインが13:00からだったので、部屋に入ってまったり体力回復を図ります。ウズベキスタンのホテルはここに限らずチェックインがわりと早めのところが多くて助かりました。

 宿泊したのはOrient Star Khivaという、古いマドラサ(神学校)を改装したホテル。マドラサを改装したホテルはヒヴァに限らずウズベキスタンのあちこちにあるのですが、ここは「カルタ・ミナル」というヒヴァのアイコン的なミナレット(塔)が敷地内にあるためにかなり有名で、時間帯によっては泊まっていないツアー客などもたくさん見学に来ていました。
 が、昼過ぎのこの時間はとても静か。一人で中庭を眺めながら虫の声を聴いていると時間が止まったようで不思議な気持ちになります。


鈴虫の声がしていた


 涼しいホテルで少しお昼寝したら体力が回復したので、夕方からは再び散策へ。何度でも言いますがウズベキスタンでは日差しが強いので、午前中は明るい光で建物の影のコントラストが強く出るのですが、夕方になるとこれが少し柔らかい光になってまた違う表情で良きです。時間があるなら気に入った場所は朝と夕方の2回見に行くのも良いかも。影の向きも逆になりますし。

 ところで、これは私の人生における海外旅行で初めてのことだったのですが、ウズベキスタンを観光していると、日本人がよっぽど物珍しいのか、ものすごい頻度で記念撮影を求められます。多すぎて正確には覚えていないものの、約1週間の旅でおそらく3~40人以上の記念写真におさまりました。1度2度くらいならちょっと人気者になった気分に浸れるけど、あまりにも頻度が多いので、何度目かの記念写真で見知らぬ夫婦に「私たちの子供と写真を撮ってください」と頼まれて他人の赤子を抱かされたときにはもはや「一緒に写真を撮るとご利益がある石像」とか「信長の前に連れてこられた弥助」とかになった気持ちでした。
 ヒヴァは首都から遠くて田舎のためか、特に写真を頼まれる回数が多かったです。この日ウズベキスタン軍の男の子たちがなぜかたくさん街の中にいて暇そうにしてたのですが(休暇でみんなで遊びに来たらしい)、そのうちの一人に「写真撮っていいですか?」って頼まれたのでOKしたら、そこからわらわらと男の子たちが集まってきて、遠足の男の子たちと引率の先生みたいな謎の集合写真をいっぱい撮らされました。ほんと何。まぁでも意味わからんけどかわいかったです。なぜかその男の子のうちの1人とインスタでつながっており、異国のティーンエイジャーの日常を今もたまに眺めています。書いてることがひとつも読めない。異文化。

あまりに意味不明な集合写真(プライバシー保護のため加工しています)


 さて、一日の散策の終わりには、日没に併せてTerrassa Cafe & Restaurantへ。ぼっちだと寂しいかなと思いきや、世界中から来た多国籍の「トリップアドバイザーに従う一人旅女」が何人もいたのでまったく寂しくなくてよかったです。
 ちなみにこのレストランはHPに「電話で予約してね!」と書いてあったのですが、当然話せないので、店のインスタからダメ元でDMを送ってみたら予約が通りました。


夕暮れ時に合わせて予約した

 景色も最高ですしグラスワイン頼んだら日本の倍くらいの量で出てくる。お値段200円くらいです。


昼と夜のあいだにいる

 そんな感じで、一人緩やかな時間を過ごしたヒヴァの一日でした。夜のほうが涼しいからか、メインストリートは遅い時間でも人通りが多く、お風呂上りにも散歩しましたが、夜でも賑やかで楽しかったです。ライトアップが綺麗でしたし、お店もわりと開いてました。

 3日目に続きます。

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