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 実家に帰ってきてから2ヶ月。
 ついこの間まで住んでいたあの街が恋しくて懐かしくて仕方ない。いつも50円まけてくれるあの蕎麦屋、真剣すぎる姿勢で本を選んでくれるあの本屋、なんでか毎回ライターをくれるあの喫茶店も。街の〇〇屋さん達がみんなで手を繋いであの街を守っているような気がしてすごく居心地が良かった。何かと馬鹿にされがちな県だけど、これからも気が済むまで馬鹿にし続けてほしい。あの街のやわらかい日差しと匂いを知っているのは、あの街が好きな人だけでいい。
 2年前地元から出た時も恋しくて懐かしくて仕方なかったから、きっと僕は街を好きになることが得意なんだと思う。我ながら素敵な特技でニヤニヤしてしまう。
 いろんな街で生活したいし、いろんな街の匂いを知りたい。そしていつか、どこかの街の〇〇屋さんになりたい。誰かにとっての思い出の場所になりたい。そのために、今住んでいるこの街を味わいながら自分なりにやわらかく生きたいと思う。

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