よく似た偶像

我が身によく似た
木偶の頭を
踏みつけ
口汚く罵り
その存在自体を
否定する妄想を
何度も何度も頭の中で反芻し
永遠に終わらない
自己否定を日々繰り返しながら
やるべき事を見失い
やりたい事は皆目分からなくなり
自分に関する決定権を
何もかも放棄して
取り繕い
他者に合わせ
疲弊し切った末に
また頭部を破壊する妄想に耽り
怒りと悲しみを心の内に封殺し
誰にも本心を話さず
誰からも必要とされず
誰のことも好きでなく
誰のことも嫌いでなく
ただ人を避け
目を合わせず
生きている時間の全てが
無駄だと確信しているのに
その無駄を削ぎ落とすことも出来ず
簡素に穏やかに
日々を過ごせますように
と願いながら
心の底はいつも
荒れ狂う大海のように波打っている

押し寄せる負の感情の全てを
引き受けるためだけに作られた
私によく似た偶像

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