水深2メートル

地に足を着けば溺れ
呼吸するために水面から顔を出せば
浮き足立つ

水深2メートルの世界で
酸素ボンベもシュノーケルもないまま
常にチアノーゼに怯えながら
大して深くもない浅瀬で
右往左往している

深く潜り込む能力や機能も
遠くまで泳いで行く気力や体力もないくせに
水中から出て陸地に上がる勇気もない

何もかもが恐ろしく
たまに水面から陸地の様子を伺いながら
見上げた空のあまりの青さと広さに絶句する

可能性は無限にある
どんな進化だって有り得る
私達は何にだってなれるのかもしれない

それが真実だとしても

この水深2メートルの柔らかな牢獄から
私はきっと抜け出すことは出来ない

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