夜凪

何も変わらないまま
気付けば時間だけがすぎて
もう取り返せないことも多い
くたびれた顔が
いびつに深海と笑う

静かに時が止まる砂浜
安物のスニーカーに踏まれて
混ざった砂と木片がかすかに呻く
プラスチックの破片が
闇夜の水面に浮かぶ

唐突に終われ
いま思うこと

何をしてもひとり
どこにいてもひとり
私が透明でないと誰が証明できる
私が私だと誰が証明できる

いつまでたっても


わたし
ワタシ
watashi

枯れた花に水をやり続ける気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?