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詩集

158
詩、ポエム、詞のタグが付いた投稿を一つにまとめたものです。
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2023年2月の記事一覧

さらさらと音もなく
強風に吹かれて所在をなくし

舞上げられて戻ってこれず

宙をさまよい
海に流され

不平も言えずになすがまま

ガラガラと音を立て
荷馬車が通れば居場所を追われ

舞上げられて地に落ちる

叩きつけられ
踏みつけられ

不平も言わずにそこにいる

砂の感情に想いを馳せる
まるで砂のような感情に
つける名前も思い浮かばない

赦陽

もう何もかも

赦すことを許さないか
赦さないことを許すか

いまさらどうでもいいような気もする

もうどんなことも

赦すことを許すか
赦さないことを許さないか

いまならそれでもいいような気もする

とはいえ
陽の光に背を向けて
過去にこだわり続けるか
陽の光を目指して
未来に賭けてみるか
というような
単純な二択でもないような気がする

きっと
陽の光は前も後ろも照らさない
ただ寸分のズレも

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雨穿つ海馬

雨 弾幕のような

水滴が穿つ穴から
漏れ出る記憶
名残り惜しさすら
水泡のごとく

雨 電流のような

気がつけば青い空
砂場の隅で
うずくまる黒い影
見覚えのない

雨 雑音のような

学びの社で失い
音も無く静止
しばしそのまま
色も無く断絶

雨 嘲笑のような

雨穿つ海馬