雨穿つ海馬

雨 弾幕のような

水滴が穿つ穴から
漏れ出る記憶
名残り惜しさすら
水泡のごとく

雨 電流のような

気がつけば青い空
砂場の隅で
うずくまる黒い影
見覚えのない

雨 雑音のような

学びの社で失い
音も無く静止
しばしそのまま
色も無く断絶

雨 嘲笑のような

雨穿つ海馬

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