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詩集

158
詩、ポエム、詞のタグが付いた投稿を一つにまとめたものです。
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2022年1月の記事一覧

半分の世界

絵に描いたような人生
絵に描いたような花
何を手にしても
虚しいだけ

片目をつむれば
世界は半分になるわけでもないし

それなりに聞いて見た
それなりに得た経験
何もない方が
まだマシだね

火の粉を払えど
炎は勢いを増して世界を燃やす

君が言った
何度も「無駄だ」って

白けないように
癒そう

君が言った
何度も「無理だ」って

白けないような
居場所を

夜凪

何も変わらないまま
気付けば時間だけがすぎて
もう取り返せないことも多い
くたびれた顔が
いびつに深海と笑う

静かに時が止まる砂浜
安物のスニーカーに踏まれて
混ざった砂と木片がかすかに呻く
プラスチックの破片が
闇夜の水面に浮かぶ

唐突に終われ
いま思うこと

何をしてもひとり
どこにいてもひとり
私が透明でないと誰が証明できる
私が私だと誰が証明できる

いつまでたっても


わたし

もっとみる

終わる頃にまた来る

去る者追わず
来る者拒まず

出入り自由
お好きにどうぞ

乗り遅れた人
駆け込んだ人

出入り禁止
隣りに同乗

逃げ切った顔
逃げ疲れた顔

悪い足場
滑る足元

叫び声は遠のく
人影はもうなく

終わる頃にまた来る
終わる頃にまた来る
終わる頃にまた来る
終わる頃にまた来る

暗天に浮かぶ雲

雲ひとつない夜空の先に
数えきれない星の輝き

例え暗闇であっても
世界の広さを示す淡い光

ここからどこかへ
繋がっていける

星ひとつない暗天に浮かぶ
拭いきれない雲の連なり

例え恒星であっても
世界を照らすことのない黒い幕

ここからどこへも
繋がらない

見上げる
厚い灰色の雲の下

深海よりも暗い空