強度行動障害とヨガ
強度行動障害
強度行動障害というワードをご存じでしょうか。医療的な病名や障害名ではなく、自傷、他害行為など、危険を伴う行動を頻回に示すことなどを特徴としている状態像を示した行政用語です。重度の知的障害を伴う自閉症の方に多いと言われています。対人関係における独特なこだわり、コミュニケーションの質的な障害、想像力の障害という3点の特性に加え、重度の知的障害を伴う場合では,自閉症の障害特性がさらに強く表面化し,コミュニケーションの困難さから生じる不安やストレスにより行動障害が発生するケースが多くみられるということです。
どのようにしてヨガを導入する?
おだやかプロジェクトでは、クライエントの特性に合わせてヨガを導入します。強度行動障害の支援に欠かせない「構造化」を意識して慎重に進めます。又、日々支援に携わっておられる支援者の方々との連携と、「ヨガの日常化」を重要視しているため、導入の際クライエントだけではなく支援者の方々にもヨガを学んでもらいます。それはヨガを一つの単発のイベントとして終わらせてしまうのではなく、日々の日常にあるものとして継続してもらうためです。そのためには、毎日一緒にいられないヨガインストラクターの代わりに、支援者の方々にも少しだけヨガについて知ったもらい、クライエントがヨガに日々ヨガに親しむフォローをしていただきたいのです。そのためにも、事前の支援者の方々との打ち合わせや共通認識はとても重要です。
変化を観察する
実際に導入した事例では、ヨガを単にレクリエーションとしてではなく、個別支援計画の具体的な目標に記載するレベルのセラピーとして取り入れてもらいました。日々の実践によって、ヨガに対してて心地よい感覚を抱き、徐々に行動に落ち着きがみられたという結果に繋がりました。又、運動に集中できる時間の増加も認められたことから、体重や危険行為の回数減少、心拍数の低下に繋がったとの推測も得ました。
強度行動障害の方の支援に悩まれている事業所、支援者様も多いかと思われます。是非一度ヨガを支援に取り入れることを検討されてはいかがでしょうか。