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音楽よもやま話

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自分を形作ってきた大切な音楽たちをエピソードを交えたり、交えなかったりして話します。
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#毎日更新

音楽よもやま話 -第6回 SMAP- 君は今すぐ翔び立てるのさ

 僕は今でも、時々SMAPのことを想う。空気のように常にそばにあった存在だから。  特別大ファンというわけでもなかったし、CDを借りたのだって解散騒動が起きてからだ。でも、彼らの音楽は、ずっと街のいたるところで流れていたし、テレビをつければいつでも彼らがいた。彼らの音楽っていい歌ばかりだし、カラオケで歌いやすいし、色んな人に受けがいいのだ。中居くんパートを声真似して歌ってみたり、キムタクを真似して崩しまくって歌ってみたり。  彼らが解散したあとでも、毎週月曜夜10時になるとT

音楽よもやま話 -第5回 井上陽水- 誰も知らない夜明けが明けた時

 初めて自分のギターを持とうと決意した明確なきっかけはもう思い出せない。12歳の春に、親父にせがんで買ってもらった2万円のアコースティックギターは、今では実家のクローゼットの中で眠っている。弾かれることよりも先に、その錆びついたダダリオのブロンズ弦を変えてくれと寝言を呟いている。でも、実家に帰る度、僕は弦を変えるよりも先に調子はずれのAmのコードを鳴らす。それが最初に覚えた曲のコードだからだ。少しだけアルペジオを弾いてケースにしまう。  本当はエレキギターが良かったのだけれ