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【セルフライナーノーツ】Keep on Smile

あまり間隔・感覚を空けずに記していきましょう。
で、連載の合間に別の記事も投稿することになると思います。

万貴音の2ndフルアルバム「Smile Co.」の2曲目になる、
「Keep on Smile」。

サブスク登録してない方はこちらからサンプルを、
登録してる方は是非しっかり聴いていただけると嬉しいです。
CD買って聴いて下さってる方は、さらにありがとうございます。


・某モール系のイメージソングを取りたかったやつ。

万貴音の楽曲としてはちょっと近未来なサウンドを目指したこの曲、
楽曲は2013年に発表してます。結構昔のお話ですね。
当時の主催ライブのタイトルにもした。

ライブ告知動画が残ってて見返したら、今の状況にも結構刺さってて、
ちょっとグッときました。
某ショッピングモールのイメージソングを取りたい!って思って、
結構急いで作ってまとめた記憶があります。
結果それは叶わなかったんだけど、思いは力になる、というか、
目標が明確だと、その後のアクションってやっぱり、早い。


・近未来、という現代。

ショッピングモールを始めとして、「生活」に関わる空間には、
親近感と同時に「近未来感」がデザインされている場合が多い、
と思います。商店街の雰囲気とかも大好きだけどね。
「ワンランク上の日常を」っていう場の提供、だと思います。

という自分の感覚で手繰ると、「近未来感」は未来のイメージ、
ではなく、あくまで「現在」を指す感覚というか。
宇宙空間とか、ホログラムのウインドウとかではないわけです。

音でそれをどう表現したかったか、というのは次の項で。


・音の特徴。

ピアノをメインに、同時にエレピ(電子ピアノ)を配置。
エレキギターは歪みをクランチ程度に抑えておいて、
低音の支えというより、ちょっとソリッドな音作り。
シンセのシーケンスもたくさん入れてますが、前記事で書いた
「スマイルカンパニー」とは別の雰囲気付けです。
こっちはNative Instrumentsの「Massive」を使用。
同じサイン波とか矩形波を使っていても、よりピュアな音に。
アミューズメントの雰囲気ではなく、欲しかったのは浮遊感。

前述の「近未来感」を音でどう表現したかったか、というと、
こういう意図。

・むやみやたらにハモらせない
要所でのみハーモニーを作る、もしくはオクターブで重ねる。
ハモリもボーカル/コーラスのみを取り出すと、
この曲では少し不思議な響きになります。
オケと混ぜて成り立つハモリのライン取り。

・休符の演出、取り扱い
ストップ&ゴー、そこの音の出入りに緊張感を作る。
イントロ部分とかは特にその要素が強いです。

・使うコードの選択と、鳴らす音域のコントロール。
明確に「メジャーコード」「マイナーコード」としてではなく、
パワーコードや9thの音を中心にその外殻を作っておいて、
メロディやシーケンスでメジャー/マイナーのキャラ付け。
ボーカルの音域に近い所でアンサンブルさせると、
楽曲としての雰囲気はよりナチュラルになるので、
この曲ではもっと上下に寄せて配置しています。
音数が多い分、ボーカルの入り込める部分を確保する意味合いも。

なんか分かりづらくなっちゃった。苦笑
そのうちアレンジとかの深い話もして、この辺分かりやすくするべきか。

あくまで明確なメロディラインに対して、
非日常のドキドキや、あくまでクールなハーモニーを演出していく、
というのが、この曲の音作りにおける「近未来感」の狙いでした。


・日常の中の「特別」。

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親子の風景、がこの歌の世界です。
初期設定は「母と子」。もちろん「父と子」もあり。
自分の子である「キミ」とお買い物に行くイメージ。

ストーリーを作る時のキーワードは「キラキラ」だったので、
光の要素だったり、色彩だったりを根っこに据えています。
「黄色いカバン」は個人的なこだわりで、自分の大好きなゲーム
MOTHER2」の主人公・ネス君がモデルです。笑
ゲーム中に「あなたの黄色いリュック、かわいいわね。」
ってセリフが出てくるのが印象的で。

お買い物であれ、子育てであれ、
日常であり、大変な面もある生活の一部分。
それを出来るだけ笑って体験したいよね、という歌です。
「笑う」「笑える」という言葉をよく使うんだけど、
その要素とタイトルの言葉は、サビ前の差し込みのみ。
ほんとはね、笑うことって意識せずやりたいんです。


・影響を受けた人。

これは明確に、音楽作家ユニット「ELECTROCUTICA」さんです。
今はがっつり活動を追っかけられてないものの、作曲家の
Treow」さんは未だに神の一人として崇め奉っています。笑

完全変態(褒め言葉というか、本人がそう自称しちゃってた)。
自分が作る楽曲や音作りでも、どこか今でも目指しちゃうお方。



アルバム「Smile Co.」の2曲目「Keep on Smile」の
セルフライナーノーツでした。ちょっと専門的な話も多かったね。
ご要望があれば(もしくは自分がその気になれば)、
音作りやアレンジの記事も書こうかな。
誰かの音楽制作のご参考になれば。


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