破れた夢？

もう10年になる。
私が彼女と知り合ったのは。
私は彼女の危うさを知り、
コンサルタントを引き受けた。
３.11の直後に、
家族を連れて、
高知県に避難してきた感性に共感した。

自分と家族を守るという意志に満ち溢れていた。
しかし、無謀でもあった。
ズブの素人が農業をやるという。
それも、自然農法だ。
ほとんどの人間には不可能に近い。

まず、
農業は理解できたことが実行できなければならない。
分かっただけでは無理なのだ。

次に、実行できたとしても環境に左右される。
去年できたことが今年はできないのだ。

更に、経営者でなければならない。
マーケット（市場原理）がわかり、
その先読みができなければならない。

付いて行くのが精一杯では
ジリ貧にしかならない。

まだまだある。

私は彼女とコラボできるかもしれないと思い、
コンサルタントを引き受けた。

結果的に、
彼女は
農業法人の女社長になり、
世間から見れば成功事例かもしれない。

私も、彼女の経営を支える立場から
そのように世間には公表してきた。

しかし、
私の当初の構想からは、
失敗作と言わざるを得ない。

最大の問題は、
私は彼女を
私と瓜二つの意志と能力を持つ
もう一人の人間と仮定していたからだ。

私が二人いれば、
2年後には、
上場までできると考えていた。

なんと浅はかなことか・・・