ウクライナファンブックを読み終えて
ロシアのウクライナに対する軍事侵攻は未だ終わりを見ず延々と続いている。ロシア軍とウクライナ軍の戦闘は続き、ロシア、ウクライナ両国外に脱出、避難するそれぞれの市民は後を絶たない。そんな現状だが、日本国内で一瞬スパークしたウクライナへの関心もたいぶ冷め、日々たいして重要でもないトピックに一喜一憂する。
私は幸運にもあるYouTubeコンテンツから”ウクライナファンブック”の存在を知りウクライナについて少しでも学ぶことが出来た。きっかけは一瞬スパークしたその時期に大衆の多くが抱いた”ウクライナに対して支援したい”という思いを私も同様に抱いたことからだ。その結果として選択したのはウクライナに関心を持つということであり、ウクライナを知ろうということだった。その入門として”ウクライナファンブック”は最適で、生涯のうちに渡航したい国にウクライナが入ったのは言うまでもない。
本の内容は、序盤はウクライナ主要都市がガイドブック的に紹介され観光地、建造物、食文化やインフラなど非常にわかりやすくその雰囲気が伝わってくる。
中盤はウクライナ料理、ボルシチ、ビールや音楽、民族衣装のヴィシヴァンカなどの文化面の紹介や言語にまつわる解説など。
終盤はウクライナの歴史、政治、経済から日宇関係まで濃い内容となっている。
まず本を読み進めていくと、今まで接してきた情報はロシア経由(ソ連)のものだったことに気が付く。ウクライナ語とロシア語は似て非なる言語であり、首都はキエフではなくキーウ、チェルノブイリではなくチョルノービリである、など。これは歴史的な事情によるもので、その事情も歴史を知ると理解できる。
そして他国の歴史を知れば知るほど、日本は独特であることに気付かされる。日本は島国であるため隣国から攻め込まれるという危機意識がかなり低い。それに対し、ウクライナなどの国は隣国が陸続きで、何時でもリーチできる状況にあるためその危機意識は全く異なる。事実、ウクライナは様々な国に侵攻され支配されてきた歴史がある。そして今日もまた侵攻されている。
日宇関係は非常に良好ということも知り、ますますウクライナへの関心は高まりウクライナの方々と交流したい気持ちも高ぶってきた。後は行くだけである。しかし、それを阻むのは軍事侵攻であり戦闘である。当事者の意図は計り知れないが、客体で見るとくだらない行為で非生産的で人命を軽んじる行為だ。一刻も早く観光や交流といった価値ある行為が当たり前に出来る情勢になることを切望する。
最後に、一人でも多くの人が”ウクライナファンブック”に触れウクライナという国自体に関心をもってもらえたらと思い、この記事がそのきっかけの一端にでもなれば幸いと思う。
ODA SYCLE
小田
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