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元世界王者はパタヤに降着🦅~イーグル京和こと、デーン・ジュラパン

サワディーカップ

タイ在住ボクシング、格闘技ファン代表のオダサイです。(某格闘技系ウェブサイト・2022年1月24日掲載)

今回はビーチリゾートで有名な、パタヤで頑張っている、あの元世界チャンピオンの登場です。

バンコクからパタヤへの移動は、直行のバスでの移動が便利で、道が混んでいない時間帯ではバンコクの東バスターミナルから2時間強でパタヤのバスターミナルに到着します。

そのバスターミナルから、約1キロ程度の、歩いてもほどほどの距離に、ボクシング・ムエタイジムの「イーグルジム」があります。

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静かな通りの中に構えるイーグルジム

ジム周辺はパタヤのナークルアという地域で、観光客で賑わうパタヤビーチにもアクセスが良い割に、静かで、ローカルの色がまだ残っています。

「イーグルジム」は、元WBC世界ミニマム級チャンピオンのイーグル・デーン・ジュラパンさんが手掛けているジムです。イーグルさんは、日本では、以前のリングネームである「イーグル京和」としてよく知られています。

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現役時代と代わらない容貌のイーグルさん

イーグルさんは20年前に日本に渡ってプロボクサーとして活動し、世界チャンピオンに上り詰めました。一度失ったWBCタイトルを取り戻し、二度も世界チャンピオンの座に着いています。

イーグルさんは、アマチュアで30戦を経験した後、バンコクのチタラダジムでプロ活動を始めましたが、5戦をこなしたところで日本のジムに移籍しました。当時、日本人女性と結婚し、東京で生活することになった為です。

6戦目からは角海老宝石ジム所属選手として、順調に勝利を重ねていき、タイと日本で合計11戦無敗というレコードを引っ提げて、2004年に東京、後楽園ホールでWBCミニマム級チャンピオンのホセ・アントニオ・アギーレ(メキシコ)に挑みます。

世界タイトル7度の防衛を重ねていた強豪アギーレを相手に、大差の判定で勝利を掴み、世界王者となりました。

当時のことをイーグルさんにお伺いすると、日本のファンは熱心で、純粋にボクシングが好きでたくさん応援してもらった。感謝しているとのことでした。

世界タイトルの防衛戦を始め、日本人選手とも多く戦いましたが、印象に残っている選手としては元3階級制覇王者の八重樫東さん、元ミニマム級4団体制覇王者の高山勝成選手を挙げました。

八重樫さんとは2度目の王座の4度目の防衛戦で対戦し、大差の判定勝ちを収めました。対戦した日本人選手では、最強だったと言います。

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「スピードがあって、テクニックも高度だった」とのことです。2度目の王座を奪った高山戦については「高山は、12回続けて、あのペースで動き続けるのはすごい。とんでもないスタミナだ」として、絶賛していました。

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「それに高山はまだ現役を続けているのでは?2年ほど前にもこのジムに練習に来たけど、まだいい動きをしてた」とのコメントでした。

日本選手以外では、当時22戦無敗で最強挑戦者と言われた、フィリピンのロデル・マヨールについて「圧力はあったけど、試合が進むにつれて荒くなってきたので、パンチを合わせることができた」とのことでした。そのロデル・マヨールもイーグル戦の後、階級を上げ、WBC世界ライトフライ級チャンピオンとなりました。

2度目の王座の3度目の防衛戦で、ダウン応酬の激戦を演じたメキシコのロレンソ・トレホについては、「水泳のクロールのようなフックで軌道が変だった。すごいパワーでガードごと倒された」とのことでした。

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高山選手の現役活動続行、または元世界王者、シリモンコンさんのパタヤでのベアナックルイベントの参戦もあり、イーグルさんもまだお声が掛かるのではないかとボクシング、その他格闘技での現役復帰について可能性があるかどうか質問しました。

今年でイーグルさんは43歳を迎えられたそうですが、身体は絞まり、現役時代と変わりないような外見です。しかしながら「もう歳だから絶対にやりません」と笑いながら話されました。「色んな考えがあるが、やるにしても、この歳では、もう世界王者を目指せるわけではないので」とも仰っていました。

6年前に一度、日本でJBC未公認のボクシングのリングに復帰したことがありますが、その試合については「対戦相手の恵良敏彦選手は友達だから、特別にオファーを受けた。日本にも行けてなかなか楽しかったよ」とのことでした。

現在、パタヤの地でジムを構え、現在の形態となって3年が過ぎたそうです。「まだ日本にいる時に、これからの自分の人生を考えて、日本も良いところだけれど、タイに戻ることに決めた。今後、このジムをますます充実させていきたい」とのことでした。

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しかしながら、このジムもコロナ禍で昨年は半分ほどしか稼働時期がなく、非常に厳しい時を過ごされました。

現在はパタヤ在住のジムの練習生だった、天野さんが経営パートナーとして協力し、ジムの充実に取り組んでいます。

細かいところではシャワールームに温水シャワーの設備を入れて、女性会員も使いやすくしています。こういった設備はタイのボクシング・ムエタイジムにはなかなかありません。

現在イーグルさんの他にも3名のトレーナーがジムにいますが、ボクシング、ムエタイ、両方の練習に対応できます。

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他のジムによくある、ムエタイをベースにしたボクシングではなく、本格的にボクシングを学ぶには良い体制となっています。

パタヤに在住のキックボクサーや、総合格闘技の選手もボクシングのテクニックを学びにジムにやってきます。

取材当日は、ヨーロピアンのベアナックルファイトの選手が汗を流していました。ミット打ちを素手でやっていたのには驚かされました。ヨーロピアン、中国人、韓国人、タイ人、日本人、多国籍の色が強いパタヤらしく、色んな国の人がジムを利用されています。

選手以外にも、中国人男性で短期間でダイエットに成功した方や、フィットネスとして毎日のように通うヨーロピアンなど、幅広い層の練習生が汗を流しているそうです。

近くのフェアテックスジムの現役ムエタイ選手もトレーナーとして手伝いに来ますが、トレーナー一同、イーグルジムの趣旨を、よく理解しており、私も楽しく練習することができました。

今後は、ボクシング公式戦用のリングも導入して、ジムで公式戦やスパーリング大会など、イベントも実施できるようにしていくとのことでした。

イーグルさん、天野さんによる日本語サポートもあり、日本人在住者、旅行者も安心して練習することができます。バンコクからの練習ツアーもお勧めです。

1回の練習料金は男性400バーツ、女性300バーツ、また、プライベートレッスンは1時間1300バーツ。水曜日が定休日ですが、他は年中無休だそうです。

※イーグルジムのFacebookページリンク

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