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ムエタイ才女、伊藤紗弥がタイのリングに復帰!

7月31日にバンコクのザ・バザールホテルの特設リングで行われたムエタイ興行、MUAI THAI SUPER CHAMP に、日本から”ムエタイ才女”伊藤紗弥選手(尚武会)が参戦しました。 伊藤紗弥選手は4歳でムエタイを始め、中学生でタイで連戦し、連勝、天才ムエタイ少女として知られるようになりました。現在は23歳で、タイでの試合は8年ぶりとなるようです。

舞台となったMUAI THAI SUPER CHAMP という興行ですが、タイのテレビで週に1回放送されている人気シリーズで、主にタイ人ファイターと外国人選手の試合が組まれることが多いです。

この日行われた7試合の中で、女子の試合が2試合でした。全試合がタイ全土でテレビ生中継があり、伊藤選手は第4試合目、48キロ級3回戦に出場しました。 この先に行われた女子52キロ級3回戦では、スウェーデン選手対タイ人選手との試合でした。初回からスウェーデン選手が鼻をカットし、血まみれの激闘となっていました。 会場はコロナ感染対策から、原則、関係者のみの立ち入りとなっていますので、観客席からの声援がない中でしたが、スウェーデン選手が激闘を制して、伊藤選手の試合に繋げました。

伊藤選手は、このイベントではプロ25勝5敗とのアナウンスがありましたが、キッズの頃の戦績と合わせると100戦に近い経験を持ちます。 2012年12月には中学2年生にしてタイでWPMF女子世界ピン級暫定王者を獲得し、WBCムエタイ世界女子ミニフライ級、WMC世界女子ミニフライ級も獲得、今年5月にはIPCC世界女子アトム級タイトルを奪取して世界女子4冠王でもあります。

伊藤選手の対戦相手のペチャルンペー・ハイランドジム選手はタイの東北部ノーンカイ出身、21勝6敗を誇る長身の選手です。更に、国際式ボクシングでは18戦のキャリアがあり、WBCアジア女子スーパーフライ級王者でもあります。 試合では長身から繰り出す、大砲のようなストレートに、その片鱗を見せつけていました。

試合は開始から、伊藤選手が左ジャブからのローキック、時にボディへのストレートで冷静な試合運びを見せ、初回は伊藤選手のラウンドでした。 2回以降、ペッチャルンペ―選手が接近戦からの膝攻撃も繰り出しますが、伊藤選手が相手の距離に入らず、接近戦も長く続けさせません。


伊藤選手がペチャルンペー選手のパンチにカウンターを合わせ、時にパンチの激しい打ち合いもありましたが、ボクシングアジア王者を相手にパンチも打ち勝っていた印象です。 しかし、観客の目から見て浅く当たったストレートにも伊藤選手の「歯が曲がった」と、ダメージも少しあったようです。

試合結果ですが、丁寧に3回を戦った伊藤選手に振られ、文句なしの判定勝ちでした。


試合後、伊藤選手はテレビ局のインタビューに「日本ではキックボクシングが人気だけど、私はムエタイにこだわりがある。今後もムエタイをやっていきたい」と話しています。 タイのインタビュアーからタイでの戦績を聞かれると「子供の頃からやっているので戦績は把握しきれていない。数えきれないほど、こちらで試合をしています」とのことでした。

試合前から、緊張する様子も見られなかった伊藤選手、陣営では、今後タイを主戦場として戦っていく方針です。 次戦についてですが、9月末にも同じMUAI THAI SUPER CHAMP のリングに上がる予定があります。

7月31日の興行では、ワンデートーナメントもあり、男子60キロ級で4人の選手(タイ人選手1名)が優勝を争っていましたが、女子の試合でもトーナメントを行う計画があるようです。 伊藤選手が、ワンデートーナメントで優勝すれば、タイのムエタイファンへの大きなPRとなるので、期待したいところです。 

(試合レポート・オダサイ)

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