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写真でメシを食った話

お仕事依頼のnoteをセットして、さっそくコメント欄で依頼をいただいた。凄く刺激的な現場だったので、撮影した写真をちりばめつつ、勢いで記事を書いた。

「○○でメシを食う」への憧れ

軽音部に入ると一度くらいは「音楽でメシを食う」に憧れるし、趣味で写真やってると「写真でメシを食う」に憧れる。なぜ「憧れ」のままかというと、それで生計を立てるのが難しいからだろう。

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スマホでも写真が撮れる今、フィルムのような原価がかからない今、コンテンツとしての写真がすぐに埋もれて消費されてしまう今、お金を払ってまでプロの写真家に依頼する価値を感じにくい。一方で、写真家からしても普通の会社員程度の収入を得るには、かなりの密度でお客さんを付けねばならず超絶難しい。

だから、お勤めしつつ「○○でメシを食う」を複数持つような生き方が当たり前になるのかなと想像して、試しに実践している。ただし、副業規定に引っかかるのでメシ払いで受けている。今のところは、生計立てたい動機よりは、払う価値を感じてくれる人に提供したい気持ちと、地元に貢献したいという気持ちが強い。

本業で「映像をつくる人のためのサービスを考えよう」と言う時に、何の準備も無いアイデア出しではなく、対象ユーザーへの深い理解に基づくためのエスノグラフィーにもなっている。この意味で、何も間違っていないと信じている。

地元からの依頼を想定していた

依頼についての記事を書いた時に、想定していたのは近所のお店から依頼を受けて、お店の売り物でギャラを貰って地元経済を回す想定だった。...が、真っ先にオファーをいただいたのは高橋社長から「リニューアルしたオフィスの写真」「オンライン配信の写真」の依頼だった。

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これに対して高橋社長は「地元の捉え方だよ」と話してくださった。物理的な距離の近さじゃない。私が高橋社長のために一肌脱ぎたいと思ったら、もはやその現場は私にとって地元と捉えてよいのかもしれない。そうやって、自分の愛着ある範囲は広げられるのだろう。

社名変更の背景には地元愛があった

目の前で話されていること、行動されていること、すべてが最近の関心事とリンクしているような現場だった。まとまりのない記事になるけれど書き残したい。

配信でお話している中で、高橋社長が「すみれ建築工房」から「四方継」へと社名変更された話に触れられていた。この背景として、自身でサービスデザインされて新しく始めた事業のため、建築の枠にとどまらなくなった話があった。その新しい事業が地元愛によるもので、最近の私の心境と重なっている。

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今回、ギャラとしてご馳走になったラーメン屋さんや焼鳥屋さんは、高橋さんが応援している地元のお店であるというストーリーまでいただいた。

オンライン配信におけるイノベーションのジレンマ

オンライン配信に関しては本業のお仕事で携わっていて、けっこうクオリティが出せるようになってきたと思っている。視聴される方はテレビ世代のため、仮想敵としてテレビのクオリティと比べられて苦しい戦いをしてきた。

でも、今回撮影した中国向けの配信は、スマホやタブレットなど3台立てて、3か所それぞれ固定視点から配信するというシンプルな構成だった。それでも、大会場を埋め尽くす視聴者や、合計5000人ごえのオンライン視聴者がいる。日本の感覚と1桁違う。

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これまで本業のオンライン配信では、参加者からのフィードバックを受けて画質や音質を作り込む苦労をしてきた。もしかしたらイノベーションのジレンマかもしれない考えが頭をよぎった。配信のクオリティは置いておいて、面白かったら人は集まる世界がある。配信クオリティを上げるために体力消耗していたら、大きなうねりにひっくり返されそうな勢いを感じた。

職人がちゃんとメシを食えるようにする話

ズバリ高橋社長が中国5000人以上に向かって語っていた内容が、冒頭の「○○でメシを食う」の話と関連する。高橋社長は、「職人起業塾」として大工さん・職人の人材育成を行っていて、それが中国にまで波及した。高橋社長の記事がこちら(追記)。

建築業界でお客さんとの接点として大きいのは職人であり、職人の質が上がれば顧客満足度が高まり、職人が自らマーケティング理論を身に付けることで、宣伝しなくてもオファーが貰える指名買いの状態をつくることができる。ちゃんと儲かれば職人になりたい人が増えて、業界が元気になる良循環が回る。そんな話。

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私の「写真でメシを食う」作戦は消極的だけど、あらゆる「○○でメシを食う」を真正面から取り組むとしたら、職人起業塾にヒントがある予感がしている。そして「○○向けのサービス」を考える際に、収益を得ることだけでなく業界全体を食えるようにしてゆくところも見習いたい。著書「職人起業塾」に毛筆サインをいただいたので大切に読む!

とは言え日本が課題先進国

大会場を埋める聴講者や、5000人ものオンライン聴衆が集まるのが何故かと言えば、日本が課題先進国だからだろう。日本では既に少子化による職人不足が進んでいるが、中国はこれからそうなる可能性が十分にある。

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だから、日本にある困りごとを解決するようなサービスをつくることができれば、世界最先端になりうるんだということを意識した。

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