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復帰プログラム 11

朝の会では、いつも心がけていることがある。教室に入ると、目の前に並んだ子どもたち一人ひとりの良いところを見つけ、そのことをきちんと伝えるようにしているのだ。子どもたちは、自分の努力や行動が認められることで少しずつ自信をつけ、やがて大きく成長していく。その瞬間がとても嬉しい。朝の係の仕事をチェックしながら、声の大きさや立ち方といった基本的なことにも声をかけていく。こうした細かな指導の積み重ねで、子どもたちが早い段階で基本的なスキルを身につけてくれることを願っている。自分は、座っている姿勢やふとした瞬間の集中力にもしっかり目を向け、気づいたことを見逃さずにフィードバックすることが大切だと思っている。

「ごんぎつね」の教材では、「ごんが兵十に対してどのように思っているのか」という視点で物語を読み取らせた。特に、「ウナギが食べたいと思ったに違いない」という強い思い込みに焦点を当て、なぜそう考えたのか、その理由を探らせる場面を設けた。確かに、子どもたちには少し難しい課題だった。しかし、この部分をしっかりと深掘りしていくことで、物語の中心にある「お互いひとりぼっちになった」というテーマへの理解が深まるはずだ。

概数の授業では、子どもたちが「どの位で四捨五入するか」という点で悩んでいた。そのため、線を引いたり印をつけたりして、視覚的に理解できるような方法を取り入れた。これによって、子どもたちが自分の理解を進める様子を目の当たりにできたのは収穫だった。また、彼らには計算の方法を説明する力が備わっているので、ペアやグループで意見を交換し合う場を設けることで、さらに深い理解を促すことができた。

発表の場面では、授業をスムーズに進めたいという気持ちが強い。理想は、その場で子どもたちに立たせ、意見を述べさせることだ。しかし、仮に立たない形で発表を行っても、その内容が充実していれば問題ないと感じている。また、発表の前に子ども同士で意見を交換させ、その後に自分の意見を述べさせる流れも、非常に有効だと思った。

特別支援学級では、現在は挨拶に力を入れて進めている。しかし、内心では焦りやプレッシャーが拭えず、精神的に厳しい状況が続いている。この影響が他の業務にも波及していることは否めない。残された6週間でどのように進めていくか、1日1時間の過ごし方に集中しながら、深く考えたいと思っている。

感謝の手紙を書く活動では、手紙の内容や文面を具体的に提示することで、子どもたちは自ら積極的に取り組んでくれた。また、手紙を書き終えた後も落ち着いて次の活動に移れるよう、「こだわりたい約束」を設けるなどの工夫を行った。この活動を通して、子どもたちは自分の行動や他人への配慮について考える良い機会を得られたようだ。

社会科の単元指導計画では、教科書に沿った進行に少し齟齬が生じていた。そこで、自分が住んでいる市町村や地域の伝統産業に焦点を当てた指導を行うことにした。地域に根ざした学びを通して、子どもたちに地元の文化や産業の重要性を理解してもらいたいと考えている。最終的には、子どもたちが自ら調べた内容を新聞形式でまとめる活動を行う予定だ。

こうして、1日の中で少しずつ積み重ねていく小さな成果が、子どもたちにとってどれだけの意味を持つか。時折、ふと立ち止まり考えることがある。だが、それはいつだって、彼らの成長のためだと確信している。

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