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台所短歌

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2020年10月の記事一覧

今の世にシールド張るは顔でなく耳と眼と 情報過多の

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知らなくていいことが多すぎる
言わなくていいことも多すぎないか

苧環
3年前
7

伝わらぬ思いを文字に起こしても伝わらぬことに変わりはなくて

伝わらぬからこそそこに面白き化学変化の起きることあり

苧環
4年前
12

予定ってストーリーまでは含まない肝に銘じろモブの一人と

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予定は、行先や行事ごとを指すだけで、それに連なる物語は示さないのに、脳内で物語の荒筋込みで予定を組み立ててしまう
物語通りに進むことなんて絶対にない
予定では主人公 が、実際は最大のモブキャラ

苧環
4年前
6

荷を積むも降ろすも己が手によると俄かに照らす秋の陽に思ふ

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肩の荷が降りた
なんてーのは、対外的なセリフであって荷を載せたのも自分、降ろすのも自分すべて自分なんだよなって
そんなこと知ったこっちゃないと、先ゆく長い影に言われた気がした

苧環
4年前
13

小糠雨朝昼夜と窓外に心配れぬ我内に居り

見えてこぬ聞こえてこぬの小糠雨確かにありと地色濃くして

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音のないのはわかりづらい。

苧環
4年前
7

斜め上眺め呼吸し尋ねたき言いたきことは空に放って

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どこにでもあるギャップ。勢いで飛び越そうとすると、互いに傷が残る。傷に深さは関係ない。各々にあるルール。転ばぬ先の杖は、無い方がいいのかもしれない。まさに老婆心。

苧環
4年前
8

形もなき名もなきものでかまわないさしのぶ手から伝わるものは **************** 手伝う  ということをふと考えてみた。差し伸べた手に反応されてはじめて、そこから伝わる何かがある。 から、手伝うなんじゃないのかと。

切り取った嘘は苦手とフレームを外れ続けた17のまま


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魂が抜き取られるなんてことは、思わないけど。写真に撮られるのは、好きじゃない。それでも無理に写そうとする人、記念だとか言う人、理由を聞き出そうとする人。
好きじゃない に理由いります?

苧環
4年前
9

縁石もフェンスも超える去年(こぞ)の種芽吹き開けるキバナコスモス


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丈が高く縦横無尽に咲いてるのは、大抵零れ種。手入れもされず、植えたことさえ忘れられても、その生命力の強さを誇ってる。見習わないといけないか…

苧環
4年前
11

神無月半ばの土手の彼岸花過ごす虚ろの移らぬ季節(とき)を

苧環
4年前
9

ぽんぽんと楽しさ届ける破裂音 世界はたくさん どん詰まりの昼

苧環
4年前
9

靴跡をひたすらなぞり歩き居り素足の君の感触なしに

苧環
4年前
5

癖ひとつ見つける度に増しゆくは愛しさだろうか憎さだろうか

苧環
4年前
9

暁にさらはれてゆく熱と夢とどむるために抱け我ごと