台所短歌

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朝イチに叩き潰した黒きモノアレはアタシだたぶんだけれど

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まさしく「無」で思いっきり叩ける自分にある種の驚き。もう脊髄反射。今年一いい音がした。

起き抜けに放つ窓から入り来る浄化しきれぬ昨夜(ゆうべ)の熱が

土用干し何故にするかと問う我に母がしてたと母が微笑む

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昔から が科学的に証明されたとか言われ出したのは最近のような気がする。理由なんてない。ただ見様見真似で受け継がれてきた ってことはそれなりに理があるからなんだろうな

歯切れ良く言葉を紡ぐキミのよになれるだろうかと蝉声を聞く

草に風水の匂いの重なりが夏を連れ来る我にようやく

鳥のほか動く影なき道を行きひとつふたつと呼吸を深く

一粒の砂に拡大鏡をあて山と見做して登れと叫ぶ

紅白の金平糖を撒き散らし何を祝うか夏の街路樹

糧となる所属なき身に吹く風は春夏秋冬冷たきままで

夏の陽と笑顔が映る銀の匙見えた気がする今午後3時

籠の梅くるんと返す手の皺に似れば良かろと母の笑いて