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台所短歌

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2020年6月の記事一覧

時しらぬ野分に狂ひ舞ふ木の葉軽しと言へぬ君も我が身も

苧環
3年前
4

夏越の祓えの日に


月頃のあれやこれやを流すごと水無月晦日に荒るる雨風

苧環
3年前
5

ヒトサマの作ったものが食べたくて昨日今日明日小食になり

苧環
3年前
3

梅雨晴れの日射しに負けた柔軟剤 香りはどうぞと主張する

苧環
3年前
2

想定外その想定は100パーキミでボクの未来じゃないよねたぶん

苧環
3年前
2

あいみょんとビール片手のテンションを年甲斐も…なんて言うな絶対

苧環
3年前
6

薄鼠のグラデーションの垂れ込める朝傘閉じて風と散歩す

雨の音に聞き耳立てて深呼吸今から始まる長い一日

苧環
3年前
4

台所短歌39

それぞれがそれぞれでいいそれぞれにそれぞれ見つけそれぞれさきへ

苧環
3年前
3

知るほどに貴方が離れていく気がするの苦しく悲しいでも知りたいの

苧環
3年前
4

”恋”の名はもとは”乞ひ”だとそれよりも前は”孤悲”だと聞いた くるしい

苧環
3年前
12

わかんなきゃダメかお前はお前だろ微笑むキミを友と呼ばせて

苧環
3年前
2

声荒げ叱るかわりに出来得れば傷みにそっと我が手当てたし

苧環
3年前
2

誰がためと惑へる先のその果てに朧に浮かぶ陰悍しき