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OHDAIジャーニー【第4話】 鴨台盆踊り、東北を掘る-南三陸スタディツアー編②- <第14回鴨台盆踊り>

【編集】表現学部表現文化学科4年
    第14回鴨台盆踊りSA
    番場 彩愛
【執筆】甲谷 彩花、釣賀 明友美
日髙 梨美、 小栗 明弥

第14回鴨台盆踊りー異風動々ー、7月5日(金)、6日(土)に開催!(詳しくは公式サイトや各種SNSをご覧ください)

第14回の特集連載テーマは「OHDAIジャーニー」。「大正大学・大正大学生にしかできない盆踊り」から「大正大学・大正大学生と共に創る新しい盆踊り」を目指し、東日本大震災の被災地である南三陸町での研修や能登半島地震被災地である七尾市でのボランティア活動、高校生・他大学・他団体との連携活動の様子などを紹介します。

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南三陸で化石発掘!?

こんにちは!南三陸スタディツアー2024化石発掘体験担当部隊です。前回の記事では南三陸スタディツアー1日目・座談会の様子をお届けしました(前回の記事はこちら)。

南三陸スタディーツアー編第2弾からは2日目の様子をお届けします。私たち化石発掘体験部隊は歌津地区の化石発掘体験を中心に今回のツアーを通じて得た感想や学びを皆さんにお伝えします!

南三陸の化石について

南三陸は、限られた土地の中に3億年前のペルム系から三畳系、ジュラ紀と様々な地質の存在する特徴的な場所で、世界的にも貴重な地層を有し、日本でここにしかない化石が発掘される地域です。世界最古の魚類化石が発見された地域であり、昭和45年に発見された魚類は、発見場所の「歌津」の地名にちなんで「ウタツギョリュウ」と名付けられ、発見場所は国の天然記念物に指定されました。

私たちは、世界最古・日本最古の化石や資料が展示されている「ハマーレ歌津商店街かもめ館」を訪れ、みなみさんりく発掘ミュージアムの高橋直哉さんから、実際に化石に触れながら、南三陸の化石や発掘体験事業についてお話を伺いました。施設見学後は、採掘場に移動し、観光班全員で化石発掘体験に参加しました。

超レアなウタツギョリュウの化石。

活動内容

内容

化石発掘体験をしました!! 新種の化石が見つかることも!?ということで夢を持ちながら参加しました!

知識がないままではどれが化石かもわからないので、体験の前に化石を知ることから始まりました。化石発掘体験が出来た経緯や化石についての説明を聞き、震災の復興に繋がると始めたことや、子供の教育が目的ということを知りました。
化石は、アンモナイトが有名でですがその他にも植物化石・糞化石・嚢頭類化石等があり、石の模様と化石を見分けることが難しいです。そのため、過去に発掘された化石を見て目を慣らしました。

化石発掘では、岩盤から削ったものがたくさんあり、たくさんの石の中から化石を探していきます。「これ化石かも?」と思うものを高橋さんに鑑定してもらいました。

案内人・高橋直哉さん!

化石発掘体験は、年間1,000人以上を受け入れる南三陸で最も人気のある体験プログラムです。それを仕掛けているのが、歌津地区で漁業を営む高橋直哉さんです。高橋さんは、震災により海の仕事を中断せざるを得ない状況になったが養殖場見学や釣り体験など「漁業 × 観光」のブルーツーリズムを展開し、大ヒットしました。漁師が、化石発掘体験!?脈絡なく感じますが、ここには「地域の当たり前の見せ方を工夫する」という地域の観光コンテンツ作りという点は共通しています。

とても分かりやすい説明をして下さる優しい高橋さん。

印象に残ったこと

「全部の石が化石に見える問題」

高橋さんのお話を聞いてから化石発掘体験をする場所に案内され、いざ発掘するとなった時、最初に感じたのが、「どれが化石か分からない」ということです。参加している全員がしっかりと高橋さんのお話を聞き、配布されたパンフレットを読んでいたものの、たくさんの石を前にすると、どれが化石でどれが普通の石なのかの区別が付かず、苦戦しました。ですが、それがまた面白く、みんなで何度も高橋さんに聞きながら楽しく発掘体験をすることができました。

「化石のカードが貰える?」

化石発掘体験を終えた後、高橋さんからあるカードを頂きました。それは「南三陸 トレジャーカード(化石編)」というもので、カードには化石ごとの名前やレア度などのデータが書かれており、自分が発掘した化石のカードを貰うことができるといったものでした。たくさんの人が幼い頃に遊んでいたであろうカードゲームのような何とも言えないわくわくした感覚が蘇り、みんなでレア度を見せあったりして楽しみました。何も発掘できなかった人にもカードが用意されており、優しさを感じました。レア度5を目指してまた発掘したいなと思いました。

化石たちの画像

どれが化石でどれが普通の石か分からないです。
左は日髙梨美自作のハートの石。右はレア度3の糞化石。
こちらはレア度2の植物化石らしいです。
これはレア度何なのでしょうか。

個人所感

日髙梨美

今回、化石発掘体験を通して私は南三陸の新たな魅力を知ることができました。南三陸に対して、今までは海のイメージが強くあったものの、化石のイメージは正直全くありませんでした。高橋さんのお話を聞いて、今南三陸で最も人気のある体験プログラムだと知り、そこから実際に化石を発掘して、そのわくわく感や高橋さんの優しさを感じられる時間は、とても貴重で本当に素敵なものだと感じました。特に、個人的な思い出としては自分で化石を見つけることはできなかったものの、ハンマーで自作したハートの石を褒めていただけたのが嬉しかったです。終始温かい雰囲気でプログラムを体験することができ、本当に素敵な思い出を作ることができました。化石に関する知識はもちろん、南三陸の方々の温かい優しさを忘れずにいたいと思いました。

釣賀明友美

今回の発掘体験は、自身がこれまで知りえなかった南三陸の魅力に触れる機会となりました。復興再生とは異なる側面からの南三陸地域の魅力発信に思われ、また教育的・研究的価値のある分野として、その積極的事業化に非常に興味惹かれました。化石発掘体験における魅力として、“教育”という言葉を添えられた高橋さんのお話は、寒風激しい中50分近く発掘体験に没頭した自身にとって、この上なく説得力のあるものでした。化石発掘体験を通して、南三陸の新たな魅力に触れるとともに、古生物のロマン、体験することの価値を認識することができました。化石という切り口から新たに南三陸を知り、豊かな自然や触れられる歴史の魅力を、より多くの人に知ってほしいと思います。

甲谷彩花

最初に南三陸で化石発掘ときいて何でだろうという疑問がありました。しかし、高橋さんの話をきいて納得しました。高橋さんの「地域の当たり前の見せ方を工夫する」という言葉に、確かにそれが最も地域貢献になるのだと思い、地域振興に興味が今後に活かしていきたいと思いました。化石発掘は、アンモナイトを探したいと思っていましたが、石の模様との区別が難しく全く見つけられずに、見つけることが出来たのは植物の化石1個のみでした。南三陸について、あまり知識がありませんでしたが今回多くの方にお話を聞き、震災についてや地域復興について知ることが出来、良い経験になりました。

おわりに

私たちは今回のスタディツアーを通じ、自然がもたらす災害の恐ろしさを知ると同時にその被害を受けた地域に住む方々の強さを目の当たりにしました。長く辛い復興期でこそ発見された南三陸という土地がもつ豊かさの種をこの地に住む方々が育て、形にしたものをこのスタディツアーの中での施設見学や食事で体感しました。

このツアーで得た数々の学びを今後、大学での取り組みや社会人として生きる上で役立てていきます。

次回の特集記事では南三陸の特産品で育てられた動物を食す様子をお届けします。お楽しみに!

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