OHDAIジャーニー【第3話】 鴨台盆踊り、東北を知る-南三陸スタディツアー編①- <第14回鴨台盆踊り>
【編集】表現学部表現文化学科4年
第14回鴨台盆踊りSA
番場 彩愛
【執筆】鈴木 瑠美佳、竹橋 稜雅
宇賀神 旬介、藤田 渚希
第14回鴨台盆踊りー異風動々ー、7月5日(金)、6日(土)に開催!(詳しくは公式サイトや各種SNSをご覧ください)
第14回の特集連載テーマは「OHDAIジャーニー」。「大正大学・大正大学生にしかできない盆踊り」から「大正大学・大正大学生と共に創る新しい盆踊り」を目指し、東日本大震災の被災地である南三陸町での研修や能登半島地震被災地である七尾市でのボランティア活動、高校生・他大学・他団体との連携活動の様子などを紹介します。
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鴨台盆踊り、南三陸へ行く!
鴨台盆踊りは元々、東日本大震災の被災地復興祈願および犠牲者の追悼を目的に2011年7月に始まりました。第13回は東日本大震災から12年、十三回忌ということで、第1回の理念であった「東日本大震災被災地復興祈願」をあらためて強調し、盆踊りを開催しました。
そして今年の2月、第13回鴨台盆踊りでご協力いただいた募金と模擬店の売り上げを直接お渡しするため、東北復興活動部-結-と合同で宮城県南三陸町へ研修旅行に行ってまいりました。
南三陸は東日本大震災により甚大な被害を受けた地域です。大正大学とのご縁も深く、2011年震災直後に行われた現地ボランティアなどの支援活動をきっかけに交流が盛んに行われるようになりました。
また2年後の2013年3月には大正大学のサテライトキャンパスでもある宿泊研修施設「南三陸まなびの里いりやど」がオープンされ、毎年お世話になっていることから、今回南三陸に訪問し、復興支援金をお渡しすることとしました。
過去にも東北復興を掲げ活動してきましたが、実行委員が実際に被災地に赴き、直接募金をお渡しするのは初めてのこと! 今回の記事から4回に分けて、1月31日〜2月2日に実施した南三陸スタディツアーの様子をお伝えしていきます。
南三陸の人に学ぶ南三陸の魅力
南三陸スタディツアーは東日本大震災の後に生まれた様々な施設を訪れ、新たな防災の知識を増やすと共に、ツアー参加者が「自分に出来ること」「地元で出来る事」を考察することを目的としています。
南三陸は現在、復興期から発展期へと転換しつつあり、発展期へ移り変わったからこそ出来るようになったこと・発展期だからこそ直面している問題があります。それらを実際に南三陸で生活している方達から学び、南三陸のこれからについて考える機会となりました。
スタディツアーの旅程
1日目
宿泊地である「南三陸まなびの里いりやど」で震災学習。
「震災復興記念公園」と「南三陸311メモリアル」の見学。
2日目
歌津で化石発掘体験を行い、「さとうみファーム」で施設見学・わかめ羊の実食、午後は震災遺構の訪問。
3日目
研修成果の報告会と南三陸さんさん商店街訪問
南三陸スタディツアー編第1弾では研修旅行1日目に行われた、座談会の様子をお届けします。南三陸・東北に初めて訪れた学生が多い中で、南三陸についての理解を深めることを目的に、今回の活動拠点である大正大学エリアキャンパス「いりやど」の職員である阿部さん、佐藤さん、丹菊さんのお三方からお話を伺いました。
活動内容
阿部忠義さん
いりやどの代表である、阿部さんにお話を伺いました。お話の中で特に印象に残ったのが、辛い中でも楽しいことをして生きる糧とするということでした。
震災の後、オクトパス君の事業を再開し、その中で阿部さんは1億円を売り上げたら社員全員を東京観光につれていくという約束をされていたそうです。
結果、1年半も立たずに売上が1億円以上を記録して東京観光が決まりました。
そして東京観光の話が持ち上がった時に、最初はほとんどの方が「みんながこんな大変な時期にいけない」と辞退を申し出る方が多かったと話されていました。
しかし、結果として30人前後の方が東京に訪れ、楽しい時間を過ごされたそうです。こうした辛い時期でも、少しでも楽しいことを考えたり行動をしたりして生きる糧としていくというお話をされていました。
私はこのお話を聞いて、絶望するだけではなく、それでも前を向いて生きて行くという強さを感じました。私自身、阿部さん達のような強さを持てるようになりたい、この心の強ささえあればどのような逆境があってもまた立ち上がれる。そのようなことを感じさせてくれる話でした。
(宇賀神旬介 文学部人文学科3年)
佐藤慶治さん
このツアー中お付き添いをいただいた佐藤さんから震災被災地における地域創生の観点を軸にお話をお伺いしました。この地域創生という言葉には、ただ住民だけで街をつくるのではなく、祭事で一時的に街に戻ってくる人も包含した地域創生であるというメッセージがあると言います。また、地域の住民に対してはオクトパス君に関する事業の発展により地元の雇用につなげるという相乗効果的な地域創生の面も見受けられ、オクトパス君自体にもさらに強いメッセージ性が付加されたとおっしゃられていました。
また未来を見据えた地域創生の面としては、「次の世代につたえる」ために建物を残すこと、災害に対する知識を皆が覚えていくことなどがおっしゃられました。今回地域創生のいろいろな面を学べましたが、自分たちだけでなく次世代を思った地域創生をすることがなによりも「創る」ことの意義を成しえているのではないでしょうか。
今回お話ししていただいた佐藤さんは、現在まちのスポーツクラブの会長を務めたり趣味の合う人たちが集まれる場所を提供したりしています!開催しているイベントの中には、週刊誌の連載をみんなで集まって、読み始めるといったなかなかないイベントを開催しており、どんなことに対してもニーズを読み取って行動する力がとても印象に残りました。
(鈴木瑠美佳 社会共生学部社会福祉学科4年)
丹菊龍也さん
大正大学地域創生学部卒業で私たちの先輩である丹菊さんにお話をお聞きすることができました。丹菊さんは高校生の頃に南三陸町の震災ボランティアに参加し現地の方々の温かい人柄に魅了されたそうです。
南三陸町は入谷、歌津、志津川、戸倉の四つの町からできていて、山から湧き出た水が川を下り志津川湾に流れ込む仕組みで南三陸全体が繋がっていることから、海産物を中心に食べ物が新鮮で美味しいことが魅力だとおっしゃっていました。
南三陸から「感謝すること」を学びボランティアの経験から前向きに日々忘れずに暮らしている姿がとても印象的でした。
(藤田渚希 文学部歴史学科3年)
個人所感
竹橋稜雅
南三陸は今回が初めてでした。震災から10年以上が経過をしている中で、被災地の復興がどれくらい進んでいるのかとても興味がありました。座談会の中で、震災前よりも様々な人が地域の人、場所、活動について理解し、より魅力的なまちづくりをしようと積極的に活動していることを感じることができました。
鈴木瑠美佳
お話の中で、高台に皆が住むようになってから移動が大変になったということが印象に残りました。緊急時の自分たちの命を守るためではありますが、平常時の不便さを犠牲にしないといけないということに関して、大きな天秤で測られていると感じました。しかし、ドローンなど技術の発達でこの問題は改善しうるものだと考えられますし、さらに良い南三陸の街になってほしいと思いました。
宇賀神旬介
私は今回の合宿で初めて震災の傷跡というものを自分の目で見ることになりました。そこには、映画でもフィクションでもなく、ただ圧倒的な現実がありました。私は同時に私が投げられるどんな言葉もこの震災という現実の前では無力でしかないとも感じてしまいました。しかし、震災と向き合う人、あの犠牲を無駄にしないように戦う人たちと接して、勝手に絶望している私よりも遙かに強い心を持っているのだなと感じました。
藤田渚希
今回初めて南三陸町を訪れました。自分が住んでいるところと全く環境がちがう場所で震災についてのお話を聞くことができたり、当時のまま存在する建物も実際に目で見ることができたりして、話で聞くことと実際にその場で体感するのとでは全然感じるものが違いました。自分には表すことができないいろいろな感情を乗り越えることも大変だと感じるのにそこから目をそらさずに向き合う現地の方の強さと優しさを感じることができました。このような経験ができることに感謝したいです。
復興支援金、お渡ししました
そしてこの研修旅行最大のミッションは第13回鴨台盆踊りで集められた復興支援金をお渡しすること!
鴨台盆踊り実行委員会から募金と模擬店の売り上げの一部を合わせた5万円、第13回鴨台盆踊りに出展やパフォーマンスで参画してくださった文京学院大学女子中学校高等学校から2万円、計7万円を一般社団法人南三陸研修センターに寄付させていただきました。
おわりに
今回は南三陸スタディツアー編第1弾として1日目に行われた座談会の様子をお届けしました。3人の方々に南三陸との出会いや地域での取り組みについて気さくにお話ししていただき、二日目以降の南三陸スタディツアーに向けた知識を得ることや心構えをすることができたと思います。
次回は南三陸スタディツアー二日目の様子をお届けします! お楽しみに!
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