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#520 新しいチームに配属されたときの"焦り"の手放し方

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、育休中を学び直しの機会に変える、オンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日は、チャンネルの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げながら放送したいと思います。
昨日の放送も、質問ボックスを取り上げさせていただきましたので、こうやって質問とかコメントをお寄せいただけるのが、とてもありがたいなと思っております。

新しいチームでの仕事を早くマスターしたい

今日の放送のテーマは、一言で言うと、新しいチームでの仕事を早くマスターしたい。その裏側には、何度も聞いたり教えてもらったりするのを、申し訳なく感じてしまう。
こんな気持ちを含めて、いただいたご質問かなと思います。
のりまきさんからです。のりまきさん、ありがとうございます。
こんなご質問です。

【こんにちは。いつも楽しく聴かせていただいております。
今日は質問があります。
ヘルプシーキングを使うとき、相手にヘルプを求めるばかりで申し訳ないと思う件について教えてください。
今期から新しいチームでの仕事が始まり、後輩たちに伝授してもらう場面が多いです。
忙しい仕事の中で、教える時間を作ってもらうことに、私は申し訳ない気持ちがあるのですが、後輩たちはあまり気にしておらず、「お互い様ですから。」と言ってくれます。
そして、上司も後輩たちと同じ考えの様子でした。
今、ヘルプをする私だけが申し訳ないと思いながら、教えてもらっている状況です。
もちろん、何度も聞かなくていいように、メモしてマニュアル化したり、これから入ってくるメンバーには、今度は私が教えられるように、工夫して、私なりにチームの役に立てるように、できることはやろうと思っています。
ただ、教えてもらう仕事は、複雑な操作もあり、一度聞いただけではマニュアル化するのは難しく、何度も聞かないとマスターできない状況です。
今は、お互い様と思ってくれている後輩たちも、今後二度三度聞かれたら、迷惑に思うのではないかと思い、声をかけにくいな、申し訳ないなと感じています。
後輩たちは、「いつでも聞いてください。」と言ってくれますが、本人たちもそれぞれ進めるべき案件を持っています。
なるべく早くマスターするしかないと思いつつ、一方で、聞くタイミングを見計らってしまう自分もいます。
もっといい方法や考え方があれば、コメントをいただけると嬉しいです。】

こういったご質問でした。
のりまきさん、丁寧に書いていただいてありがとうございます。
まとめるとこんな感じですかね。
のりまきさんは、新しい部署で後輩に今仕事を教えてもらう立場にいる。
後輩は「お互い様ですから。」と言いながら教えてくれる。
一方で、自分は申し訳ないという気持ちを抱えてしまうし、一回でマスターできるほど優しくないけれども、でも、何度も聞きにくいなと思ってしまっている。
そんな状況ですね。
相手は「いいよ、いいよ。」と言うけれども、私はどうしても罪悪感を持ってしまうんです。気持ちはすごく分かりますよね。
こんな時にどうするか、今日は一緒に考えてみたいなと思います。

自分ではなく、チームの視点で考える

まず、この放送で何度も取り上げている”ヘルプシーキング”一人で抱え込まず、上手に助けを求めて、連携しながら仕事を前に進める。
このヘルプシンキングの考え方に一旦当てはめてみると、まずスタートはどこかというと、自分ではなく、チームの視点で考える
これが、ヘルプシーキングの超前提になる考え方ですよね。
そして、この考え方に基づくと、今、のりまきさんが集中すべきは、本人も十分自覚されていると思いますけれども、一日でも早く仕事をマスターすることですよね。
そのプロセスの中で、教えてもらう相手に対して「忙しいのに申し訳ないな。」、「聞きたいけど、相手の手を止めちゃうから、聞くべき事も聞けないな。」と思いながら仕事をしているじゃないですか。
今、この感情を抱えていることって、すごく冷静に言うと、チームに対して何か生み出していますか?
ここを考えるとですね、今考えるべき事は何か?明確に見えてくるんじゃないかなと思います。
むしろ、最悪のシナリオは、のりまきさんが罪悪感を抱えながら、マスターする期間が長期化するとか、本来聞くべきことを聞かなかったがために、中途半端な業務のマスターの仕方しちゃうとか。
こうなっちゃうと、今、チームのメンバーがのりまきさんのためにかけている時間から得られるパフォーマンスが、下がっちゃうことになるので、とにかく今集中すべきは、一日でも早く適切な形で仕事をマスターすることですよね。
たぶん、のりまきさんも頭では分かっているけれども、でもやっぱり罪悪感が手放せないというのが、今回の相談のポイントなのかなと思います。

お互いの物差しを合わせていく

これをどうしたらいいでしょうか?
ここには、のりまきさんの頭の中にある物差しと、あとすでにこのチームで仕事をしているメンバーの中にある物差しを、すり合わせていく必要があるかなと思います。
”早くマスターする。”これって、どのぐらいのスピードが、上司やメンバーの中にある標準なのか?
ここですよね。
例えば、のりまきさんは、「一ヶ月で覚えなきゃ。」と思いながら焦っている。
一方で、実はメンバーは、「覚えようと思ったら、三ヶ月かかるよね。」と思いながら教えている。
こうなってくると、のりまきさんの焦りだとか罪悪感自体が、ちょっと的外れになっちゃうんじゃないかなと思います。
なので、お互いの頭の中にある物差しを、まず合わせにいくというのが、罪悪感をなくす中では、重要なのかなと思います。
すなわち、どの程度が上司や仲間にとっての早いマスターなのか、ここを聞いていくですよね。
「一ヶ月」と言うかもしれないし、「普通は三ヶ月はかかるよね。」と言うかもしれないし、「半年くらいのスパンでみているよ。」と言うかもしれないじゃないですか。
これをきちんと合わせていく。

さらに、マスターしていくプロセスについても、イメージをすり合わせないといけないですよね。
今、のりまきさんは、頭の中で「聞いたら一回で覚えなきゃ。」と思っていらっしゃって、それが実現できないことに焦りを感じていると思うのですけれども、今いるメンバーがこの仕事を習得するまでのプロセスはどうだったのか?
ここを聞いていく必要もあるかなと思います。
みんなが一回で聞いて完璧に覚えているのであれば、一回で聞いて完璧に覚えるハウツーそのものが、たぶんみんなの中にあるので、それも含めて習得していく必要があると思いますし、「私も、3回、4回と聞いて、正確に仕事ができるようになったんですよ。」と言えば、教える側のメンバーの中にも、「一回で覚えられるわけがないんだから、早く2回目、3回目を聞いて、早いとこ5回目まで聞いて、マスターを完璧にしてください。」と思っているかもしれない。

もっと言うと、マスターできた状態って、どういう状態なのか?ここの物差し合わせも必要ですよね。
例えば、Aの業務をマスターした。
これはAの業務ができるということじゃないと思うんですよ。マスターというのは。
Aの業務が、チームの他のみんなが標準とする時間でできるようになって、初めてAがマスターできたということになると思うんですよね。
例えば、みんなはAの業務を30分でやっている。
のりまきさんが、できたと言いながら、90分かかっている。
これはまだマスターできていない状態だと思いますので、どうしたら30分でAの業務は終わるのか?
Aの業務にみんながかけている標準時間も含めて、その時間できちんと終えるための適切なマスターをしていくことが、コミュニケーションできるといいんじゃないかなと思います。

引き継ぎの景色合わせをしよう

こうやって考えると、のりまきさんが今、申し訳ないなと考えている場合じゃないですよね。
そう考えちゃうのも、チームや仲間への貢献意欲、仕事に対しての真剣度の表れだと思いますので、その熱意を、「早くマスターするの”早く”ってどのくらい?」、「ちゃんとマスターできている状態って、どんな状態?」、「どういうプロセスを踏んだら、そこに至るのか?」ここのすり合わせのほうに、労力をかけることが、翻って、過剰な罪悪感を手放していくことにもつながるのかなと思います。
業務そのものができるようになるだけでなくて、できるようなる期間や、できるようになった状態の景色合わせを、仲間と一緒にしていこうねと。
こんな話に最後は行き着いたかなと思います。

いかがでしょうか。
今の4月5月の時期は、新しい会社や新しいチームに、転職したり異動したりした方も多いんじゃないかなと思います。
一日も早く仕事を覚えてチームに貢献したいって思えば思うほど、そのプロセスに焦ったり、罪悪感を感じたりすることがあるかもしれないですけれども、本当の意味でチームにとって良い形、良い自分が戦力化していくプロセスって、どのくらいの期間をかけて、何が、どの程度できるようになることのか?ここのイメージを合わせて、安心して、焦らず、取り組んでいただきたいなと思います。
のりまきさんのことを、めっちゃ応援しています。
ありがとうございます。

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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