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#733 余裕がないときほど。「フォロー」というカードの有効性

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、2023年も彩り豊かな時間をあなたと作りたい、オンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日は、新年一回目の金曜日です。
一週間が終わるのが早いですね。
今日は、両立サプリの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げたいと思います。
質問ボックスは、チャンネルのプロフィール欄にURLリンクが貼ってありまして、コメントでは書ききれない放送へのご要望、質問、感想などをいただいていますので、よかったらお使いください。
今日の質問は、ジンさんからいただきました。
ジンさん、ありがとうございます。

業務量も多く人手不足、チームの疲弊感をどうにかしたいというお悩み

【いつも仕事に役立つ配信をありがとうございます。
今回は、もうどうしたらよいのだろうという状況をなんとかしたく、相談させてください。
現職は、入社から日の浅い社員が多く、業務を教えられる人、フォローできる人が限られています。
そして、業務量に対する人手不足も否めません。
十分なフォローもできない、社内の体制や業務のやり方を整えることもままならないために、ミスも生じ、さらに時間がかかり、業務がひっ迫する。
長時間労働となり、みんながギリギリの状態で働いているため疲弊し、業務が少し慣れたかなというところで辞めていく社員も多く、負のループになっています。
この状況を立て直すための策をアドバイスいただけますと幸いです。
働くことが楽しい、そんな職場に変えていきたいです。
よろしくお願いします。】

というご質問です。ありがとうございます。
ジンさんの質問は、12月にいただいておりまして、早く取り上げたいなと思いつつ、1月になってしまいました。
ジンさん、お待たせしました。聴いていますか?
一緒に考えましょう。

まず、ジンさんの状況ですが、結構既視感を覚える方も多いんじゃないかなと思いますし、たくさんのチームで起こっている、こういう状況をなんとかしたいと考えている方の多いテーマじゃないかなと思います。
業務量が多い、時間がひっ迫していく、加えて人手不足。
そうなると、新しいメンバーが加わっても教えられない。
お互いにフォローができない。
そういった中でミスが続く。
そして、みんなが疲弊する。
辞めてしまう。
本当に本当に残念なのですが、こういう構図があると思います。
そしてジンさんは、この状況を何とかしたいと思っている。
ちなみにジンさんは、マネージャーとかリーダーとか、そういったポジションなんですかね。
少なくともチームの中では、少し経験が長かったり、仮にマネージャーじゃなくても、マネージャーやリーダーと連携できる立場なのかなと拝察いたしましたので、そんな想像をしながら話を進めてみたいと思います。

優先的に切れるカードは「フォロー」

ジンさんの状況を整理すると、まず、どんなカードが選択肢・打ち手として考え得るかなというと、おそらく3つあると思うんですよね。
業務の整理が必要である「業務整理」というカードと、次に教える・育てる・フォローする・カバーする「フォロー」というカードですよね。最後に、人手不足である、「人員充足」というカードもあると思います。
この「業務整理」「フォロー」「人員充足」の3つのカードがあった場合に、皆さんだったらどれから切りますか?
もしくは、どれが優先的に切れるカードだと思いますか?
私は、「フォロー」というカードだと思います。
理由は、まずできる。そのカードをそもそも切ることができるという実現可能性の部分と、そして効果がある。この効果についてはあとで説明しますが、そして何よりも、他が先行してもなかなか成り立たない。例えば、業務整理が先行しても、ミスが多い状況だったり、メンバーが育っていない状況だと、整理してもやりきれない。もしくは、整理そのものがやれない状況だと思いますし、人員充足に関しても、生産性が低かったり、うまく回っていない職場に人手だけ充足されても、育てることもできず、定着させることもできず、かえって混乱を招く。これは本当にジンさんのおっしゃる通りですよね。
ということで、「フォロー」というカードが、このケースでは優先されるんじゃないかなと思います。

なぜ「フォロー」かというところですが、今、たぶんジンさんのチームは、経験のある人、もしくはやれるという一部の人が、1.2倍ぐらい頑張っている状況だと思うんですよね。
一人が1.2倍頑張る。
でも一方で、入ったばかりの方とか、まだ経験の浅い方は、1も出せていない状況だと思うんですよ。
すごい単純な計算式を頭に思い浮かべてほしいのですが、頑張る人を1.2として、まだ一人分上手にパワーが引き出されていない、発揮できていない人を0.5として、1.2+0.5は1.7じゃないですか。
1.2の人は一人分以上頑張り、0.5の人はなかなか教えられなくフォローされないので1.0まで力が出せない。
なので、足しても1.7ですよね。
でも、1.0+1.0はそれだけで2.0になるじゃないですか。
ちゃんと教えられて、ちゃんと支援されて、1.0を出せるようになると、できる人が1.2で頑張り続けなくとも、1.7以上になる。
1.0+1.0で2.0、きちんとパワーが発揮できている状態が作れる。
やっぱり優先的に目指すのは、そこかなと思います。

ということは、新しく加わってくれたメンバーをいち早く1.0まで引き上げるところが大事になるのですが、実は、業務そのものを覚えていく以上に、新しく入ったメンバーのパフォーマンスを大きく左右することがありまして、それは何かというと、チームに加わった最初の段階で、「ここに入ってよかった、ここの仲間と頑張りたい、ここでやれそうだ」と思えるかどうかだと思うんですね。
そういう気持ちが最初に形成されると、頑張ろう、覚えよう、貢献しようという気持ちで、いろんなことをどんどん吸収していけると思うのですが、「なんか放っておかれてしまった」「連携し合えない空気がそこにある」「みんな、新しく加わった自分のことよりも、目の前の業務の方に関心が向いてしまっていて、チームに加わったという感覚が持てない」チームに対して信頼感を形成できないと、パフォーマンスというのは、本人の能力のいかんにかかわらず、どんどん落ちていってしまうと思います。

今いる場所の将来に期待が描けるかどうか

さらに、新しく入ったメンバーだけではなくて、今、1.2で頑張ってくれている人たちも、辞めてしまう可能性がすごく高まっているということですよね。
自分も含めて、人が辞めたくなる時とはどういう時かというと、今の現状を評価して辞める判断をするのももちろんあるのですが、多くの人はおそらく、将来を評価して辞めるか残るかという判断をしていると思います。
例えば、ここにいていい仕事ができるか、成長ができるか、チームと信頼関係を築けるか、今、いる場所の将来に期待が描けるかどうかというのが、辞める判断には結構大きく影響しますよね。
そう考えると、「新しくチームに加わったけれども、なんか放っておかれています。周りを見渡すと、みんな目先の業務を個々にやりこなすだけですごく疲弊しています。そして何よりも、そういった状況を変えようという機運や行動がありません。」という状況だと、今いる人も、新しく入って来た人も、将来を評価して、「ここに残ってもな」という判断をたぶんしやすくなってしまう。
そういったスパイラルを止めるためにも、フォローが先行、優先度の高い視点になるのかなという考えをしてみました。

思いをチームの中で共有する

では、どうする?何から始めるというところですが、二つありまして、まず一つは、ジンさんが一人であれこれしたり行動を始める前に、行動するよりも先に、「この状況を変えたいと思っている」という思いをチームの中で共有するのが、できる第一歩だと思っています。
行動する前に「変えたいと思っている」という思いをみんなで共有する。
「みんなでそれをやりたい、力を貸してほしい」たぶん、この状況を変えたくない人は、誰一人いないと思うんですよね。
変えたいと思っている、変えていこうという大きな方向性が示されることで、おそらくみんな、「今はずっと続かない、良く変わるかもしれない」こういった将来への期待を持つことができるので、まず欲しいのは、「先に期待していいかもしれない」この可能性をみんなの心の中に持つということだと思います。

チームとしてどう連携するか作戦を立てる

そしてもう一つは、連携してやりましょう。
この「フォロー」というカードは、一人では切れないんですね。
誰かが新しいメンバーのフォローや育成をすれば、その時間を生み出すために、その人の業務を誰かがフォローしなければいけない。
非効率なプロセスを変えていこう、やり方を変えよう、問題を一つずつつぶそうと思えば、その役にあたるメンバーと、そのメンバーがその時間を捻出するために協力するメンバーがいないと成り立たない。
そういうことだと思いますので、チームとして何をするか?そのためにチームとしてどう連携するのか?
こういった作戦を立てて動いていくことが必要だと思います。

成果があがるまでには多少時間差があるかもしれないですが、ただ、連携して事ができる、この先は良くなるかもしれないという期待が状況を大きく変えると思いますので、まずはそこから始めてみてはいかがでしょうか。

ジンさん、心から応援しています。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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