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#953 「自分でやった方が早い」という思い込みからの抜け出し方

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今週も木曜日がやってまいりました。
毎週木曜日は、恒例のなつさんの質問コーナーをお届けしたいと思います。
今週のなつさんの質問はこちらです。

「自分でやったほうが早い」という思考からの抜け出し方

【今日のテーマは、「自分でやったほうが早い」という思考からの抜け出し方についてです。
チームで仕事をする上で、自分以外にもできる人を増やしていく、誰にもできるように仕組化する、というステップが必要になると思いますが、過去、私自身が後輩や同僚へ業務を引き継ぐという場面で、つい「自分でやったほうが早い」と仕事を巻き取ってしまった経験が数え切れないほどあります。
仕事では、期限もありお客様もいらっしゃる中で、周囲に任せる勇気が持てない。一方で、何でも一人でやることの限界の間でジレンマを感じていました。
自分でついやってしまう思考からの脱却と、後輩や周囲に任せる際にまずできること、という二つの視点でポイントをおさえてください。】

なつさん、いつもありがとうございます。
自分でやったほうが早いという思考からの抜け出し方。
いつもいいところを突いてきますよね。
なつさんの書いている「つい自分でやったほうが早いと思ってしまう、でも一人でやり続けることの限界の間でジレンマを感じる」に、あるあると思っている方がすごく多いんじゃないかなと思います。
私もこれは分かる、分かり過ぎると思いますので、一緒に考えたいと思います。

「誰かに任せる」って、切羽詰まった状況では、そもそも無理!

自分でやったほうが早いという思考からの抜け出し方なんですけど、類似のものに「自分にしかできないから誰かに任せるのは難しい」これもありますよね。
そんなのもひっくるめて、自分でやったほうが早いという思考に分類されるのかなと思います。
私もちょうど最近、「うわ、やっぱりそうだよな」と思ったんですけど、今こそ誰かに任せたいと思う時があるじゃないですか。
一方で、誰かに任せるって、切羽詰まった状況だとできないんですよね。
任せたいと思うけど、そういうタイミングってだいたい切羽詰まっていて、切羽詰まったタイミングで、おいそれと取れない選択肢が誰かに任せるということなんですよね。
もしもそんな中で無理にぶん投げでもしようもんなら、自分にも相手にも何もいいことはないんですよね。
中途半端ないまいちな結果に終わったり、いまいちだからといって、結果、巻き取り直したり。
それによって自分も「やらなきゃよかった」そして相手も「苦い経験をした
」みたいな感じで、そして出てくる結論が「やっぱり自分でやったほうが早い」とか「誰かに任せるって難しい」。その思いをますます強固にしていくという負のスパイラルにはまりやすいですよね。

そうやって考えると、一歩引いて冷静に見ると、誰かに任せたいというニーズが発生するタイミングとか、ぐんと高まるタイミングと、あとそもそも誰かに任せるという選択肢が取れるタイミング、物理的にその選択が取れるタイミングってイコールじゃないんですよね。
ここが私はすごく大きなポイントだと思います。
任せたいというニーズが発生するタイミングと、物理的にその選択肢が取れるというタイミングはイコールではない

物理的に任せるという選択を取ろうと思うと、誰かの役割を変えるとか、業務分担を変える。
そういうのって、私がそうしたいからだけじゃなくて、上司だとか、チームだとか、当事者と、ちゃんと合意を握る必要がありますし、任せるためのステップとしても、ちゃんと説明しなきゃいけないし、できるようにサポートが必要だし、特に難易度の高い業務であればあるほど、ちゃんとサポートをする必要があるし、これがその人の役割にも影響するようなサイズ感のものであれば、例えば、今期の目標設定をアップデートする必要があったり、組織内での期待役割を更新する必要があったりとか。
こうやってあげてみて思うんですけれども、切羽詰まって誰かに任せたいというタイミングで、とても取れる選択肢じゃないんですよね。
なので、このタイミングで自分でやったほうが早いと思うのは、当然というか、むしろ健全な発想ですよね。
なので、自分でやったほうが早いという思考うんぬんの話ではない。
これがまず言えると思います。
ニーズが発生するタイミングと、任せるという選択肢が物理的に取れるタイミングがイコールではないので、誰かに任せたいというタイミングでは、もはや任せることはできない

ずっと自分でやり続けることで失うもののほうが大きい

じゃあ次にいって、じゃあ、本当に自分でやったほうが早いのか?
そこも考えてみたいと思うんですけれども、今、話したような流れでいくと、当然、今の時点では自分でやったほうが早いに決まってるじゃないですか。そりゃそうだよね。
なので、「今日」とか「今」で考えると、自分でやったほうが早いという結論になりますが、じゃあどのぐらいのスパンで考えたらいいかというと、なつさんも書いてくれている通り、それをずっと自分でやり続けた場合と、そうじゃない場合をちゃんと比較することが必要ですよね。
自分でずっとやり続ける。これを対象に置くと、おそらく失う機会というものがいろいろ想像できるんじゃないかなと思います。
それを、例えば仲間ができるようになることによって、自分がより高度な仕事とか、自分のパフォーマンスを発揮できる重要な仕事に投じる機会を失っていたりとか、もしくは、仲間もそれができるようになる、この成長やステップアップの機会を奪っているともいえますし、この二つを組み合わせると、チームという単位において、できる人が増えるとか、チーム全体でより重要な仕事への対応時間が増えるという、この辺のチーム全体の生産性を上げることのボトルネックになっちゃっているので、このぐらいの時間軸で比較対象を置くと、ずっと自分でやり続けることで失うもののほうがすごく大きいということもよく分かると思います。
なので、「今」だと自分でやったほうが早いけれども、対象の仕事のサイズ感によると思いますけど、三カ月とか半年みたいなスパンで考えると、圧倒的に失うものと、生産性を落とすことのほうが多いという考え方をしたほうがいいですよね。

引き継ぐために必要なステップを未来の時間に予約して取っていく

なつさんが最後に、「まずできることって何ですか?」と書いてくれてますので、ここについても私はこう思うよというところを共有したいと思います。
まずできることは、あります。
超簡単で本当に今すぐできるので、Voicyを聴きながらやってほしいぐらいなんですけれども、誰かに引き渡していきたいとか、引き継ぎたいとか、移譲したいと思う業務を、頭に思い浮かべてください。
そうしたら、それを引き継ぐために必要な最初のステップを、自分の未来のスケジュールに登録してください。
これがまずできる、かつ上手に進めるかなり重要なポイントですので、今すぐに簡単だしやってほしいなと思います。

例えば、対象の業務を思い浮かべて、このサイズ感の業務を渡すとなると、まず上司にそういう方向に動いていくということの、同意や支援をしてもらう必要があるなと思うのであれば、今はたぶん切羽詰まっていると思うんですけれども、それができる時間を将来のスケジュールの中で見つけて、上司の予定も含めて、一時間のミーティングを登録してください。ミーティングによっては30分でいいかもしれない。
こういうイメージです。
例えば、今期は引き渡すからねということが決まっているし合意も取れているので、あとはやっていくだけだという場合は、対象のメンバーのスケジュールを見ながら、ここでまずスタートのちゃんと説明するミーティングを持とう。2週間後に一時間になるかもしれないし、そもそも自分サイドの整理整頓をしてからじゃないと説明もできないなという場合は、自分の個人ワーク時間で、整理整頓、説明準備という時間を一時間取る。
これだけです。
必要な未来の時間を、今は切羽詰まっていてギチギチで時間が取れないかもしれないけれども、未来の時間を予約して取っていく
本当に、今、完了できますよね。
これだと思います。

ということで今日は、なつさんの質問コーナーで、「自分でやったほうが早い」という思考からの抜け出し方を、私なりに分解して共有させていただきました。
「私が楽になるために渡す」というと、たぶん躊躇する人もいると思いますので、さっきお伝えした通り、これをやることによってチーム全体の生産性を上げるんだという前提で、ぜひ切羽詰まった状態ではなく、段階的に物理的にできるタイミングで取り組んでいきましょう。

それでは、次のチャプターで、先週の一番放送とコメントありがとうございますのコーナーをお届けします。

先週の一番放送は、決めることに関するあの放送

10月に開催するイベントのご案内です!

続きはぜひVoicyでお聴きください。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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