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おだぶんの「日々雑観」31 春間近の思い出

こんにちは。おだぶんです。
南岸低気圧が来て、三寒四温が始まり、風の中に春を感じる今日この頃になりました。前回の大風邪は結局完治まで半月以上を要しましたが、今度は花粉が飛び始めて難渋しています😂😂😂。

今回は備忘録として、春間近の思い出について記します。

今から四十数年前、時代は昭和。
当時小学生だった私は、級友のトミタ君と二人乗りで、近くを流れる花見川のサイクリングロードをぶらぶら走っていました。日曜日の昼下がり、風はまだ冷たくて、日差しのためか道端の霜柱が溶けてぬかっていて、そんな中を走ったりしていたので、タイヤは泥だらけ。二人でふざけながら用もなく流していました。
トミタ君はひょうきんで面白いヤツ。クラスの人気者で替え歌が上手くて、いろんなのを作って歌っては大ウケする才能の持ち主、何故か私と気が合って、放課後や休みのときはつるんで遊ぶ仲でした。
彼は自転車持ってなかったので、いつも出かける時は二人乗り、その後中学生になってもずっと2ケツが基本でした。
風は冷たかったけど、空気の中に春を感じる温もりがあったのを覚えています。
ぶらぶらのつもりがかなり走ってしまい、花島橋という橋を越えると砂利道になり走りづらくなります。
トミタ君は肥満児なので、二人乗りするとタイヤが半分潰れた状態で砂利道はかなりキツい、それでもヒーハー言いながら走っていると、道の端におまわりさんがいるのが見えました。
「ヤバっ‼️」
と思った時には既に遅く、おまわりさんは私たち向かって大きく手を出して振り、手招きをしていました。
二人乗りは違反ですから、子供でも叱られるなと覚悟して向かうと、おまわりさんはニコニコ笑っています。
そばに原付自転車、泥だらけのYAMAHAのパッソルもしくは本田のラッタッタ(死語🤣)かがあって、そいつを引き起こしていました。
「おう、悪いけんど手伝ってくんないか⁉️」
おまわりさんはそう言いました。
どうやらこの原付は盗難車らしく、一人じゃ難渋するからたまたま通りかかった二人乗りの私たちに声かけて、手伝って欲しいということのようでした。
トミタ君は荷台から降りると、おまわりさんの原付の後ろに回り、泥だらけの車体を引き起こして後ろから押す役につきました。
「いやぁ助かったよ。一人じゃ大変だったよ。押っぺしてくれて助かるよぉ」
と、おまわりさんはとても喜んでいました。
最初は二人乗りを咎められるのかとビクビクしていましたが、そうでない事を知ると、トミタ君はおまわりさんとずっと喋っていました。
元々彼は人おじしない性格なので、おまわりさんと楽しそうに会話していました。
泥棒捕まえた事あるかという問いに、おまわりさんはあるよ、いっぱい捕まえたぞと笑っていました。
トミタ君は、人殺しは?銀行強盗は?なんて聞いてましたが、おまわりさんは笑うだけでした。
そんなこんなでサイクリングロードの終点に到着、おまわりさんは
「ありがとうね。」
と言いながら、尻のポケットから財布を出して、五百円札を一枚取り出すと、
「お駄賃だ。」
と言ってトミタ君に手渡し、原付を引きずって去って行きました。
結局二人乗りはお咎め無し、おまけに五百円丸々ゲット‼️
すぐさま引き返して駄菓子屋で全て使い切って、大満足な一日になりました。

思えばホント、当時は長閑な時代だったなと改めて思います。

ちなみにトミタ君、風のウワサで知りましたが、現在は千葉県八街市で、年商3億の会社の社長だそうです。

もうすぐ55回目の春、楽しい春になる事を楽しみにしています。

ありがとうございました😊😊😊

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