演劇と暮らしと家族

 どうも

『次、左折です。右側2車線を走行してください』

グーグルのナビはワシに死ねちゅうんかい織田です。

遅くなりましたがODA MADE#2『RE:レコーダー』無事に終演しました。
初長編で、いただいた感想も賛否ありましたが、自分の中では書きたい事やりたいことが出来たなと思っています。
ずっと考えていた事が書けた気がするのでなんかすっきりしました。
稽古も手前味噌ですが、ずっと皆笑いながら意見を出し合い、僕の言った全く意味がない演出に何の疑問を抱かず面白がってくれて、最高の作品作りだった。
色んな現場にスタッフだったり役者で関わってきたけど、多分一番楽しく風通しのいい稽古場だった自信ある。それも良かった。

「あぁ、やりたかった作品をやりたかった皆とやりたいように楽しんで創作出来てる。」

という自分が演劇の世界に飛び込んだ面白さの原点を実現できた。
集客や宣伝などはまだまだ課題がありまくりだし、大成功とはいえない。けど演劇人織田圭祐としては何の後悔もない公演だった。


本当にご機嫌なメンバーだった

そう演劇人としては。

ここから本題だ。

ODA MADEの公演は色んな側面の自分がいる。
作・演織田
役者織田
プロデューサー織田
スタッフ織田等々

そこに日々を生きる家庭がある。

夫織田

そして前回と違うのは

『父親織田』

がいることだ。

そして娘っ子がいて、妻ちゃんも母という役割が加わった。

織田家が大きく変わった中での公演だった。

娘っ子の存在というよりかは父と母になった事だと思う。
妻ちゃんとは出会って初めてくらいのちょっと気まずい空気が流れた時があった。小屋入り直前、明らかに自分がいっぱいいっぱいになってた時だ。

「この前のね・・・ごめんね」

と謝ると妻ちゃんは

「いっぱいいっぱいになるのは分かってるしそれは承知の上。でも、私は一日中、コミュニケーションの取れない娘といて、あなたが帰ってきたら凄くほっとする。だから娘の事を話したい気持ちが凄くある。」

と涙ながらに言わせてしまった。
情けない話である。
そりゃそうだ。妻ちゃんは可愛い娘っ子とはいえ、コミュニケーションが取れないか弱き命を相手に悪戦苦闘しながら日々を過ごしている。なのに、私は家に帰ってきても自分の公演の事で頭がいっぱいだったのだ。
本当に申し訳ないことをした。

自分の中で両立や切り替えを上手くしてきたつもりだったが、ギリギリの所でパンクしてしまった。
無念である。

織田でも金、夫でも金、父親でも金

は惜しくも叶わなかった。

演劇を始めてから随分と自分の生活が今は変わってきた。ずっと演劇が自分の芯にあったが、今はその芯が家族になっている。
家族の幸せが自分の一番だ。

ほんと正直な事言うと、不労所得で一日中家族とのんびり過ごしたい。土地ころがしたい
総資産1恒河沙円欲しい。過去に戻って僕がiPhone開発したい。

odafoneの未来があったかもしれない

と冗談はさておき。

以前は必死に喰らいつこうとしていた演劇に、今、自分はどう付き合っていくのが正解なんだろうかとぼんやり考える。
演劇は大好きだ。それで家族を養って、幸せに暮らせるのが本望だ。
でもそうはイカの金玉っつってね。

いや全然有難いことにいけてんですけどね。でも不安定だし休みが固定であるわけでもない。働けば働くほど金銭的な余裕はでるけど家族と一緒にいる時間は少なくなってくる。地方に長期滞在もある。
それに限界もある。
それが果たして自分の中でいいのか。

家族にとって、自分にとって何がいいのか。そう考えるとなんか以前より演劇というものに対して

何が何でも売れてやる!(まぁもとよりそんな思考薄かったけど)

とか

演劇に人生を捧げるんだ!

という固執や執着がものの見事に抜け落ちた。誤解を恐れずいうと別に演劇じゃなくてもいいとすら思う。これが良いことなのか分からないけど、気持ちが楽になったし、演劇に対する視野も開けた気がする。

結婚前までは生活のほぼすべてを演劇中心に考えて生きてきたけど、これからは自分の暮らしと家族にどう演劇が付き合っていけるのかなーという、なんていうのフェーズ?チャプター?コンベーションをトライアルしてインデックスしてく?
みたいなことなのかな?(全然違う)

ODA MADEも出来る限り続けたい。でもやっぱり今回の公演で一人で全てをやりきるには規模が大きくなるにつれ大変だ。それで家族に迷惑をかけるのは嫌だ。
自分の暮らしにあったODA MADEを模索していきたい。だから有難いことに次を期待してくれる声や「3回までは連続でやった方がいいよ」と言っていただくけど、ちょっとだけODA MADEと暮らしを

見つめるキャッツアイ、メディセンパッシー

していこうと思ってます。でも次回やりたいことや書きたい構想はあるから何かしらのんびり形にしていこうと思います。

やっぱり演劇って堅苦しかったりサブカル色だったり何か一つ纏ってる感じがあるけど、そうじゃなくて自分の生活の一部にふんわりとある、そんな感じで付き合っていきたいし、娘っ子にもそういう感じで僕の好きな世界に触れてほしいなと思う。

まだ今年は少し残ってますが今年は自分にとって大きく変わったし、何か先も変えていかなきゃいけないななんてそんな事を考える年になった。

のんびり家族と幸せに笑って暮らしつつ、演劇が出来ればいいなと思ってます。
来年も宜しくお願いします。

ではまた。



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