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ホシヅクリ創星記(カード編)

この記事は、ホシヅクリ創星記の第二弾、カード編となります。
ホシヅクリのカードデザインの話と、20枚のカードそれぞれについての製作裏話を語れたらと思います。
ここではカードのシステム面の話に絞って書きます。
イラスト関連はコンポーネント/アートワーク編で書けたらと思います。

ゲームシステムについて書いた第一弾はこちら。

カード全般編

色ごとの役割の設定

ホシヅクリにはカードに赤/青/緑の色が設定されています。
赤/青/緑が単なるカードのスートを表すだけでなく、色としての個性を感じられるよう、それぞれの色にはテーマを与えています。
一番主軸となるテーマは、「初期デッキの弱いカードをどう対処するか」としています。
色ごとに初期デッキの無色カードに対応する方法が異なるように設計しています。
その他にも、カードごとにサブテーマとしていくつかのギミックを割り当てています。

単色戦術と多色戦術

サプライによって、赤単、青単、緑単の単色戦術と、3色戦術どれも強い戦術になりうるのが理想と考えているため、それぞれの戦術に強く使えるカードを作成しています。
赤単、青単、3色は戦術として通用しかつ楽しいものになっていると思います。
緑単だけは強くないことが多くなってしまい、ここの部分は拡張等新カードで改善していく予定です。

ユニークな動き方をするカード

ホシヅクリは色の要素がゲームシステムとして強く出ています。
何をすればいいか考えやすいというメリットもありますが、どのカードでも毎回似たような動きになってしまう可能性があるというリスクも抱えています。
そのため、カードの動き方や星片の出し方、勝利点の取り方がユニークになるようなカードを意図的に入れています。
例:大地、星座、間欠泉、氷

初期デッキ

初期デッキは最初、星屑*5と衛星*3でした。
しかし初期デッキが多く、序盤の成長がゆるやかすぎるように感じられたため星屑を減らし、1枚を2星片出る岩石に変更しました。
結果として中盤あたりに適切な拡大感を感じることができるような調整となったのと、序盤ドローするときのドキドキ感を感じることができる調整となりました。

カードの種類数

最初は2ゲーム分ということでカードは16種類の予定でしたが、16種類だと2ゲームですべてのカードを遊びきってしまって、もったいないと感じました。
ホシヅクリは何回も同じゲームを遊ぶようなユーザをターゲットとしているため、何回もカードを入れ替えて遊べる形を目指したかったからです。
2回ゲームを遊んだ後に、まだ遊んでいない4枚とその他のカードを組み合わせて遊ぼう、と考えてもらえるように20種類に増やすことにしました。
これによりデザインが大変になったり、生産費用が上がったり等はありましたが結果的には長く遊べるゲームとなり満足しています。

ここからは個別のカードについてコメントしていきます。

赤カード編

テーマ:廃棄
サブテーマ:2星片以上のカード、強制効果

星雲

初期からあったカードです。
ホシヅクリを初めてプレイする人でもわかりやすく恒星に届くことができるように作成され、最後まで残っています。

噴火

後半に作られたカードです。
手札の入れ替えができるカードをもう1種類ほど欲しかったため、水と差別化できるよう強制的に手札を捨てるカードを作成しました。
強制効果は赤らしい効果であったため、赤に配置しています。

初期からあったカードです。
最初はシンプルに「手札1枚を廃棄してもよい」の効果で0星片2コストのカードでした。
廃棄が強すぎたのと、雷との差別化があまりできていなかったため、強制効果にしたところ強力かつ扱い方が難しい独特な立ち位置のカードになることができました。

初期からあったカードです。
このカードは最初から一切効果が変わっていません。
かなり強力なカードですが、複数人戦だと星屑を廃棄した際に衛星をとらなければいけないケースがあるため注意が必要となっています。
とても強力かつ人気なカードですが、同時に衛星を廃棄しすぎることの危険性を最初に教えてくれるカードでもあります。

原始星

初期からあったカードです。
ホシヅクリを初めてプレイする人でもわかりやすく恒星に届くことができるように作成され、最後まで残っています。

核融合

後半に作られたカードです。
赤の高コストの廃棄カードが欲しかったので、廃棄することで星片を出すことができるカードとして設計しました。
最後のターンに複数枚廃棄することで、1軌道で10星片!を目指してもらおうという設計になっています。
テキストが長くなってしまったため、無色カードも色に数えることをテキスト内で説明できていないのは心残りです。
説明書での追加説明と、カードの説明で4枚廃棄の時の星片が記述してあるところで表現はしていますが、最初効果を読んだときは疑問を感じる部分になってしまっています。

青カード編

テーマ:捨て札
サブテーマ:ドロー、時間操作

初期からあったカードです。
最初はカードプレイ後毎回手札を4枚に補充するのではなく、プレイした枚数だけドローするルールであったため「カードを1枚引く。カードを1枚捨てる。」という記述でしたが、ルール変更によりカードテキストがよりシンプルになりました。
ルールを聞いてこのカードを見るととても強そうに見えますが、使ってみると実際には2コスト相応の強さであることがわかります。
これだけ買っていても勝てませんが、うまく使えると強いカードですね。

間欠泉

後半に作成されたカードです。
ホシヅクリは基本手札が4枚であるルール設計なので、ドローカードは最初はデザインされていませんでした。
ユニークなカードの動き方をするカードを追加したかったため、手札の上限を破るカードとして間欠泉を作成しました。
当初はターン終了時に手札を4枚にするルールは無かったのですが、間欠泉でドローしたカードをターンをまたいで持ち越せてしまうと毎回デッキがほとんどない状態でプレイできたため、ターン終了時に手札を4枚にするルールを追加しています。
ホシヅクリのドローは直接のアドバンテージには結びつきませんが、他のゲームのドローとは異なり安定性への寄与や、手札を5枚以上にしてターン終了時に捨てることによる手札の質の向上などホシヅクリならではの強さを感じることができるカードかと思います。

後半に作成されたカードです。
デッキトップ操作を行い、青のカードらしい方法で初期デッキを疑似的に圧縮させるカードとして設計されました。
最初はデッキトップを見て元に戻すか捨て札にする効果でしたが、重ねうちすると弱い問題があったため現在の効果に落ち着きました。
間欠泉との違いは、3色プレイする時に使っても強い点や無色カードをそもそも手札に入れないことによって回転を速くできる点があります。

後半に作成されたカードです。
もともとはプレイされているカードを廃棄できるカードを作成していたのですが、プレイした星屑を廃棄するだけのカードとなってしまいあまり面白い動きができませんでした。
そこで、廃棄でなく捨て札にしたところ様々な使い方ができるユニークなカードとなったので採用されました。
最初は単体でプレイしたカード以外も捨て札にできましたが、3色プレイによる無限ループが簡単に組めてしまうため単体プレイのみ捨て札にできるように変更されています。
単体でプレイした無色カードをなかったことにする使い方のほかに、プレイ時効果を目当てに単体プレイされた雷や間欠泉を捨て札に置くなど面白い使い方ができるカードです。

初期に作成されたカードです。
青ということで、時間操作ができるイメージのカードが欲しくて作成しました。
当初はカードをプレイすると軌道が1減少するという効果でしたがすぐに無限ターンができてしまったので氷のプレイのみ軌道進行が0になる形にルールが変更されました。
ルールのカード個別説明にもありますが、氷と一緒に他の青カードをプレイした場合でも軌道進行時にカウントされません。
これを活用して青単デッキを組むのが主な使い方となります。
氷と一緒に他の青カードをプレイした場合でも軌道進行時にカウントされないという部分は少し気づきにくい部分になっており、これはカード本体にも補足で書いたほうがよかったかなと思っています。
テストプレイの段階で無限ターンを発生させる要因になっていたこともありバランス調整的には問題児でしたが、同時に効果を読んで悪用できそうなワクワク感もあるカードだったので最終的に残せるように調整しています。

水晶

初期に作成されたカードです。
青らしい方法で1枚で2星片以上出すカードということで、デッキトップからプレイに追加するカードを作成しました。
ドミニオンにも家臣という楽しいカードがありますが、なにが出るかわからないデッキトップをめくる楽しさは期待以上でした。
手札外からプレイに追加できる唯一のカードであるため他のカードともシナジーがあり、ホシヅクリの中でも屈指の人気のカードです。

緑カード編

テーマ:プレイに追加
サブテーマ:獲得、勝利点

森林

初期に作成されたカードです。
緑は初期デッキの無色カードを出力として活用する、というコンセプトに沿って作られ、今まで残り続けています。
ブラックホールや隕石のような無色の天体カードと面白いシナジーが期待できます。

微生物

初期に作成されたカードです。
緑は初期デッキの無色カードを出力として活用する、というコンセプトに沿って作られ、今まで残り続けています。
終盤まで活躍するため、森林よりも人気のカードです。

草原

初期に作成されたカードです。
最初は草原で草原が獲得できたのですが、デッキを引き切った状態で草原で草原を獲得→その草原を引くを繰り返すことですべての草原を獲得できてしまう問題があったため草原で草原は獲得できなくなっています。

大地

初期に作成されたカードですが、一番修正回数が多かったカードでもあります。
初期は「惑星を獲得する。同時に4枚以上プレイした場合恒星を獲得する」の5コストカードだったのですが、あまりにも強すぎました。
しかし他のカードと異なる動きを目指す動機になるカードという事でこのカードは外したくなかったので、調整を繰り返し今の形となっています。
「このプレイの終了時に破棄する」という回りくどい表現となっていますが、これは大地を複数枚同時プレイかつ5枚以上同時にプレイした際にすべての大地で恒星が獲得できるようにするためです。

果物の木

後半に作成されたカードです。
Createがない点数カードが欲しいということで作成されました。
まずは果物の木をすべて取ってから恒星を目指すという形にはなってほしくなかったためパワーは抑え目となっていますが、もう少し強いカードにしてあげてもよかったかもしれないと思っています。
8コスト3点1星片のホシヅクリの果物の木と、8飯3職業1点のアグリコラの果物の木は共通点が多いですが、意図したものではないです!(後から指摘されてびっくりしました)

無色カード編

隕石

後半に作成されたカードです。
1枚はアタック要素があるカードを入れようという事で採用されています。
アタックが気軽に複数回打たれる状況は避けたかったので、無色にして連発は難しいようになっています。
また、初手で隕石をとってアタックできるようにしたくなかったので、自分が色カードをプレイした時のみアタックが発動するようにしています。
初期は「すでにプレイされているカードと同じカードを捨てる」でしたが、プレイされているカードをいちいち確認するのが面倒だったため今の形に落ち着いています。

ブラックホール

初期に作成されたカードです。
初期から人気のあるカードで、ホシヅクリの代表的なカードと言っていいでしょう。
ホシヅクリ発売後に想像以上に人気があったカードとなっています。
プレイヤー側からブラックホールを活かした新しい戦術も研究されて製作者としても驚いていました。

星座

初期に作成されたカードです。
特殊勝利点カードはいくつか考えられましたが、最終的にこのカードのみが残りました。
単色だと点数が高くなる勝利点も作っていたのですが、多色デッキを作るほうが基本的には楽しいので単色の特殊勝利点よりも多色の特殊勝利点が優先的に採用されました。

終わりに

カードデザインの部分を振り返ってきました。
初期構想から残っているカードも多いですが、一方でテストプレイでリストラされてここのリストに載ることのできなかったカードも多々あります。
まだまだホシヅクリにはデザイン空間が残っていると思いますし、実装したいカードやギミックはあるので、そこは拡張で実現したいところですね。

ホシヅクリ創星記(システム編)

ホシヅクリ創星記(アートワーク/コンポーネント編) Coming Soon

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