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東白楽の住宅 竣工

今年の3月頃から工事を進めていた東白楽の住宅が竣工しました。

築35年以上の鉄骨造の建物の改修工事です。広さは20坪弱と、おばあちゃんが一人で住むには十分な広さですが、屋根や外壁の仕上げや断熱状況は当時のままだったために、快適な居住空間とするためには内部プランや使い勝手はもちろんのこと、断熱改修もテーマのひとつでした。

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3階建ての最上階で日当たりがとてもよく、長手方向の両側にそれぞれ大きな開口部があるために風通しもよい空間なのですが、間仕切り壁で細かく分断されてしまっていたためにせっかくのよい環境を活かしきれていない印象でした。そこで、改修プランとしてはできるだけワンルームにつなげて気持ちの良い光と風が空間全体を抜けるように意識したプランニングとしました。

※下記は改修前と改修後の写真です。

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改修工事に関しては、なるべくコストを抑えるために工務店さんに工事一式をお願いするのではなく、顔馴染みの信頼できる職人さんに直接お願いする方法で工事を進めてきました。

いわゆる分離発注という方式で、設計図面を元に各工種の業者さんに設計者から直接見積・発注を行います。建築工事一式を工務店さんに依頼するのに比べて諸々の経費や商材にかかる利益分などを大幅に削減することができるのが利点ですが、設計~現場管理を設計者が行うため、品質を保持することの難しさやコスト管理、各工事の責任の所在が曖昧になりがちなどのデメリットも多くあるため、実際にはこの方法を採用して建物を最後まで作り上げるのは難しいことだと考えています。

そんな中、今回は身内である妻のおばあちゃんの住まいということもあり、分離発注でやってみようということになりました。結果的には、実際にやってみるとたしかに設計作業以外での手間と時間は予想以上にかかってしまいましたが、私自身は知識や経験として得るものが非常に多く、大変実りある仕事のひとつになりました。

おばあちゃんも無事に引越しを終え、新生活が始まっています。


織田建築設計室/ODA DESIGN ATELIER 織田遼平
https://www.oda-atelier.jp



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