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#13 老後は「一人暮らしなんだけど、一人暮らしではない環境」を実現したい。


「高齢者の住まい」の話に戻ろう。

今は90歳の母と暮らしているから、一人暮らしになったら自由だろうなあ、精神的に楽だろうなあとは思う。
だけど、高齢になるというリスクに対する保険が必要なことも、90歳の母と暮らしているからこそわかっている。

今回のコロナワクチンの予約作業だって90歳の母には無理で、こういう手続きごとはたいて私がしている。
もともと事務処理作業が好きな性分ではあるんだけど、そんな私でも、10年後や20年後になったら作業ができるのか?と考えると、全く自信はない。

母を見ていると、高齢になっていくことがどういうものが日々わかるから。そして、自分自身にも既に兆候は来ているから。例えば、化粧品の箱とかに書かれている小さな文字など、どうやっても(虫メガネ使っても)読めないものはもう読めないし、そういうことが日常的に多くなってきている。そうなってくると、書類や説明書って真っ先にめんどうな相手になるんだよな。

ネットの操作も新しくなったらどんどんついていけなくなるだろう。
そんな時に、ちょっと聞ける人とかね、気軽に相談できる人とかがすぐ近くにいればいいけど。いなければ、まっいいかって思って、だんだん社会からはじかれていく気分になるんだろうな。

ということまで考えると、高齢者はどんな住まいでどういう暮らしをするのが一番なのかということを真剣に考えてしまう。
今住んでいるマンションで一人暮らしを続けるリスクを考えてしまうのだ。

理想のイメージはあるだよな。
それは、「一人暮らしなんだけど、一人暮らしではない環境」。
それって何?
いくつか挙げてみよう。

①老人ホームっぽくない「高齢者向け賃貸住宅」
旭化成ホームズのシニア向け賃貸住宅「へーベルVillage」とか、積水ハウスグループの高齢者向け賃貸住宅「グランドマスト」シリーズね。
グランドマストのほうは、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)なんだけど、それを前面に謳わずに、チラシには“高齢者向け賃貸住宅”と大きくいて「一人暮らしは不安だけど、老人ホームには入りたくない。そんな方に選ばれています」と宣伝しているんだよね。そして、親世帯と子世帯が近くに住む「近居」に適した住まいと強調している。
団塊の世代が75歳になってきたので、この親子世代に響く住まい環境を打ち出しているんだろう。子供世代との同居をいまさらするのは互いに嫌だけど、何かあった時は頼りにするだろうから、だったら近くに住みませんか?という提案だね。
確かに、身元引受人とか、救急事態が起こった時の同意とか、家族じゃないとできないことは多いから、近くにいれば互いに判断しやすいし、安心だからね、これはアリだと思う。

でも、近くに家族がいるとかいないとかに関わらず、シングルの私でも高齢者向け賃貸住宅は魅力ある。
安否確認があるから孤独死を避けられるし、介護施設よりも個人の部屋が大きく、プライバシーを守りつつ入居者同士の交流ができる。
安心と自由のバランスを上手く考えた住まいという感じかな。

②50代からのシェアハウス
これ、実際にはまだないけどね。(笑)
①の高齢者向けの年齢の範囲を50代からにするという私の提案です。
だから介護保険の関係ない普通の住宅ね。
介護状態になったらプロの手を借りながらも、入居者同士で手伝おう!という発想。できる人が手伝うという支え合いね。そして、年齢的に順繰りにね。そんなの無理~?!ってとっさに言われそうだけど、「お互いさまが一番幸せ」だったりすると思うんだよね。
そんな「家族のようなもの」を作れたらいいなあって。

③地方でタイニーハウス村をつくる
これも実際にはまだないけど。(笑)
タイニーハウスの動画が大好き!で、そればかり見ていたら、「自然の中でタイニーハウスが集まって住めばいいじゃん」と思ったわけ。
これも住民同士で助け合うイメージね。
介護職の人たちもタイニーハウスに住むのよ。そして、タイニーハウスに住んでいる住民を相手に仕事をする。
これ、タイニーハウスというところがキーポイントで、施設を用意しない小規模多機能型居宅介護(小規模多機能型ホーム)のようなものをイメージしてる。つまり、同じスタッフが訪問・通い・泊りのサービスを行うという部分だけを真似たもの。
まあ、単にタイニーハウスに住んでみたいだけなんとちゃうかって? そうかもしれない。(笑)

④親戚と一緒に住む
子供が独立して夫婦だけになったとか、既に一人暮らしになっている親戚ってけっこういるんじゃないかな。
そういう親戚と一緒に住むという発想は、みんなあまり考えないと思うけど、人によっては考えてもいいと思うんだよね。
これまたそんなの無理!と四方八方から聞こえてきそうだけど、互いに高齢になっていき、誰が介護状態になってもおかしくないわけだから、子供の世話になるのが嫌ならば、高齢者同士で支え合うというのはアリだと思うんだよね。
そう考えたとき、全くの他人よりは親戚同士というのは、実はアリなんじゃないかなという考え。
兄に提案してみるかぁ?!(…無理?!)同じマンション内ならあり?

ということで、以上どれもこれも構造や間取りを斬新に工夫すれば「一人暮らしなんだけど、一人暮らしではない環境」はできるんじゃないかな。設計士さん、どうですか?


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