「歩きスマホは、やめましょう。」で英語の練習。
「歩きスマホは、やめましょう。」
こう言われて、どっちをやめたらいいのだろう、と思ってしまった。
どっち、とは、歩くのをやめるべきか、それともスマホを見るのをやめるべきか、という意味だ。
安全に立ち止まってからスマホをチェックするべきか、スマホを見るのをやめて安全に歩くことに集中すべきか……
自分はどちらかと言えば立ち止まる派かな……
どちらなのかわかりづらいのは、そもそも2つのことがらが合体して「歩きスマホ」という言葉になっているせいかもしれない。
まあ、でも、そんな言葉を作ってしまえる日本語って、ある意味すごいけど……
むりやり英語にしたら“walking smartphone”? なんじゃそりゃ。
そんなことを考えていたら、ふと、高校英語の文法を思い出した。
stop の2種類の用法である。
"I stopped to look at the smartphone."
(僕はスマホを見るために立ち止まった。)
"I stopped looking at the smartphone."
(僕はスマホを見るのをやめた。)
これは良い例文を作ってしまったかもしれない。
この2文は、文法の勉強になるだけでなく、中身も教訓的だ。
歩きスマホを禁止されたとき、具体的にどうする?ということにまで言及している。
教科書に載っているのはいつもタバコの例(stop to smoke / stop smoking)だったけど、タバコではいまいちピンとこないのではないだろうか?
それに、未成年だし、ピンときたら困る!
stop to smokeと言われても、そもそも歩きながら吸う人なんてまず、いない。
いや、まてよ。かつて、タバコが文化の一部だった時代には、そういう人はたくさんいたはずだ。
もしかしたらタバコの例文は、大人たちの歩きタバコを牽制する目的で作られたものなのかもしれない。これを学んだ学生たちが大人になったとき、真似しないように、と。
世の中から歩きタバコが消えた要因の一部は、この例文のおかげでもあったかもしれないのだ。
だとすると時代の変わったいま、世の中の歩きスマホをなくすために、この例文を変えるべき時が来たのかもしれない。
stop to look at the smartphone / stop looking at the smartphone
(文・イラスト 奥とば)
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